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チェックアップの重要性と指針=援協総合診療所内科医=南 利実=連載(5)

健康広場

2006年2月22日(水)

 脳梗塞での死亡の六割、心筋梗塞の四割が高血圧と関係があります。しかし、三分の一が高血圧者だと認識していません。これらの人に、血圧の状態を聞いても普通だと返答。気絶、息切れ、頭痛同様に脳梗塞、筋梗塞などが起きない限り、高血圧病だと気付きません。なぜでしょうか?
 高血圧、糖尿病と骨粗鬆症は無言病といわれます。余程大きな障害でない限り、病気を発見するのが困難。高血圧の場合、〃的臓器〃と呼ばれる臓器にかなりの傷害をうけた時に初めて症状が表れます。
 その程度は、期間と血圧標準に比例したもの。息切れ、浮腫、前胸痛、麻痺、脳梗塞、心筋梗塞などを起こします。損傷を最低限に抑えるには、早期発見早期治療が欠かせません。
 高血圧患者のうち、自身の血圧を管理しているのは三一%にすぎません。
 その理由として最も考え得ることは、知識不足でしょう。高血圧症は慢性疾患で、医薬品でコントロールすることしかできません。医薬品の服用をやめれば、血圧が上昇する恐れがあるのです。
 前述したように、高血圧症は単独では行動しません。他の因子と合併して心血管障害の危険を蓄積します。危険因子として、脂肪とコレステロールが考えられています。
 閉塞とは、この脂肪が過度に動脈壁などに溜まった状態。新陳代謝障害の状況によって、「一次的」と「二次的」に分類されます。七五%ほどの遺伝構成がある場合は一次的脂肪障害と診断され、不適切な食生活・運動不足・肥満などの因子と結合しやすい。
 遺伝的な高コレステロール血症は、既に未成年の時からコレステロール値が上昇。300mg/DL以上を記録することもあります。適切な措置を取らないと、二十~四十代で初期的急性筋梗塞を発症しかねません。
 S.B.C.(Sociedade Brasileira de Cardiologia)の研究結果報告によると、六一%はコレステロールの検査を行ったことがなく、七八%はこの脂肪の意味を知りません。
 HDLコレステロール、高比重リポ蛋白は、体を保護する働きがあり、善玉とも呼ばれています。この善玉が少ないほど、冠状動脈病の危険が高まるわけ。善玉を増やすために、心臓病専門医は禁煙、体重のコントロールや有酸素運動などを推奨しています。
 高コレステロール症を放置すると、粉瘤、粥状硬化、アテローム硬化と呼ばれる障害を確実に発症。血管内壁を閉塞させます。高コレステロール血症に高血圧が一緒になった場合は、帆掛け舟の風のごとく危険が一気に高まります。
 十年前は、四十歳でコレステロール基準を決定していました。現在最初の基準値決定は、未成年の時に行います。なぜなら、早期発見できれば、治療の効果が上がるため。コレステロール値が標準なら、五年ごとに定期検査を受けるのがよいでしょう。(つづく)