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応急手当の仕方~とっさの時に戸惑わない~=連載(3)=やけど=程度に応じた対応を

健康広場

2006年3月22日(水)

 「てんぷらを料理していた」、「線香をつけていた」……。日常生活でやけどを負う機会が、ちょくちょくある。病院で診察する必要があるのか、迷うことも少なくない。手当ては程度によって異なり、「程度3」になれば命の危険が差し迫る。
 どんな場合でも絶対に行ってはならないのは、氷やバターなど冷水以外のものを患部に当てること。歯磨き粉、料理用の油、卵など民間療法で有効と言われているものもダメ。冷水だけが許される。氷は凍傷を起こす恐れがあるので、控えたほうがよい。
 (1)水ぶくれを潰す(2)患部に粘着した衣服をはがす(3)傷を圧迫する──といったことも避けるべきだ。
 「程度1」はやけどが表皮だけに留まっている段階。患部は赤くなって少し腫れ、わずかな痛みも伴う。やけどが全身に広がっているときは、医師の診断が必要だ。応急手当の仕方は次の通り。
 (1)患部を流水、容器に入れた水、もしくは湿布で冷やす。前述の通り、氷の使用は不可。
 (2)五分後、痛みが引いたら、乾かしてこすらない。
 (3)患部を圧迫せず、清潔な布で覆う。
 (4)水をたくさん飲む。痛み止めを服用してもよい。
 「程度2」はやけどが真皮に達している段階。患部は赤くなって腫れ、水ぶくれができる。痛みは激しい。一カ所で範囲が小さいなら軽度だが、顔面、首、胸郭などにやけどを負っているなら、重症とみなされる。応急手当の仕方は、基本的に「程度1」と同じ。
 「程度3」はかなり重症の場合。やけどが皮膚の層の全てに達し、筋肉や骨まで届いている可能性もある。神経が破壊され、痛みはない。痛みがあるなら、ほかのやけどから発生したもの。患部は焦げており、黒もしくは白っぽい色になっている。応急手当の仕方は次の通り。
 (1)患部が腫れあがるので、服飾品や衣服をとる。ただし、衣類が患部に粘着していれば触らない。
 (2)湿布を使って、患部を冷やす。
 (3)やけどの範囲が五センチ以内なら流水や容器に入れた水を使用してよい。水ぶくれを破裂させるので、水道水に注意すること。「程度3」は痛みがないので、傷を悪化させる恐れもある。
 (4)全身に広がっている時は、患者から目を離さない。
 (5)圧迫させないで、患部を清潔な布で覆う。手足にやけどを負っているなら、患者自身で手当てをしない。指がほかの指とくっついてしまう。
 (6)病院で麻酔を使用する場合があるので、医薬品、食料、水を与えてはならない。
 (7)呼吸困難に陥ることもあるので、急いで病院に連れていくこと。
       (つづく)

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