グルメクラブ
10月3日(金)
「Espirito de minas,me visita」――。二十世紀ブラジル最大の詩人と語られることも多いカルロス・ヅルモンド・デ・アンドラーデ。その韻文の一節を冠すカサッシャがある。
ミドルクラスのカシャッサを代表する銘柄となった感を受ける「Espirito・de・minas」は、ミナス州の古都サンジョアン・デル・レイ市のそば、サンタ・ルジア農場で作られている。
オーク樽で最低一年は寝かされるこの「Espirito―」と、サブカヨノキ材の樽で十八カ月から二十四カ月間熟成させる「La・de・Minas」が同農場の二本柱。合わせて年間十五万リットルを生産する。
スーパーで一本二十四レアル前後と少々値が張るが、そのスムーズな飲み口と柔らかなドライ感についつい杯が重なる。カイピリーニャのベースにも最高だろう。
オレンジがかった黄色のラベルに描かれたバロック教会が目印。現在、九千九百九十九本限定の特別品(六年物、五十レアル)も発売している。画家アルデミール・マルチンスがラベルを担当した。この企画、二年おきに継続されるそうで、次は画家グスターヴォ・ローザが手掛ける。
ワインの世界ではしばしみかけるアーチスト・ラベル・シリーズも、カシャッサでは恐らく初めての試み。それほど最近カシャッサのプレステージが上昇している証しでもあろう。