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魚屋さんの入り知恵=マンジューバの南蛮漬け

グルメクラブ

10月17日(金)

 「今からどんどん市場に出てくる。今年は一カ月ばかり早いね」と、リベルダーデで魚屋を営む三木宗三郎さんがいうのはマンジューバ。銀白色の帯が輝く、その透き通った魚体は「ガラス細工」のようにもみえる。
 日本でいえば、ニシン目ウルメイワシ科のキビナゴに似ているらしい。鹿児島から高知にかけてとれる魚で、酢味噌で賞味する刺し身が定番。菊の花を形どって盛り付けられる「菊花づくり」は知られる。
 「このマンジューバはイグアッペ方面から運ばれてきたもの」と聞いて、かつてレジストロでその刺し身を食べたときのことを思い出した。ただし、あくまで「捕れたてでないと難しい」そうだ。
 てんぷらや塩焼きにしてもおいしいが、三木さんのお薦めは南蛮漬け。頭とはらわたを取り、手早く洗って塩を振る▽南蛮酢(赤唐辛子、しょうゆ、酢、水、砂糖で作るのは一般的)の材料と共に小鍋に入れて火をかけ、混ぜ合わせてひと煮立ちさせる▽魚の水気をふき、片栗粉を薄くまぶして中温の油でカラッと揚げる▽揚げたてを南蛮酢に浸けてしばらく置き、上下を返しまた浸ける。
 「うちでは南蛮酢のなかに薄く切っただし昆布とニンジンを入れているよ」と三木さんはアドバイスしてくれた。