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魚屋さんの入り知恵=アンショーバの塩焼き

グルメクラブ

11月14日(金)

 アンショーバはマスの一種、そう勘違いしている日本人は少なくない。サンパウロ市の駐在員夫人が作っている生活情報のホームページにも「身の白いマス」とあった。
 「まったく別物。卵からして違う。マスは基本的に淡水に生息するものですしね」
 リベルダーデ区で魚屋を営む三木宗三郎さんは混乱の理由を「昔、魚河岸で働いていた日本人が勘違いしたのだろう」と推測する。
 アンショーバは英名ブルーフィッシュ。その正体はオキスズキの一種のようだ。アメリカ東海岸の魚屋によく並んでいるらしい。ブラジルではリオからサンタカタリーナにかける海域でよく捕れる。
 バーベキューには最適の魚だろう。「岩塩を降りかけて少し置く。その後、一度洗って焼くときにまた塩を振る」のが三木さん流。 フォルノで焼き上げる場合はウロコを取った方がベターだが屋外の網焼きならウロコありでも問題ないそうだ。
 「イワシ、タイ、ブリ……もし手に入ればマグロのカマや頭もいいよね」。野趣あふれるバーベキュー。肉もいいが、日本人はやっぱり魚だ。
 三木さんのところでアンショーバは現在一キロ十二レアル前後。「一時期良いものが手に入らなかったけれど、これからまた脂の乗ったのが入荷できそう」。