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料理研究科の中南米食文化紀行=ボリビアのコカ茶

グルメクラブ

11月28日(金)

 民族舞踊の多さは南米一を誇ろう。
 良くも悪くも国情が似ているグアテマラのインディオはマヤ系が大半を占めるが、この国には多種にわたる先住民が暮らしている。
 ただ、肉を中心とした料理の方はバラエティーに富んでいるとはいえない。肉はバーベキューにして甘いオカ芋、ジャガイモと共に食すのが一般的。ジャガイモは種類が豊富だ。市場で売られているだけでも二十種を下らない。
 ユニークな料理がある。鉱山の町ポトシの名物「カラプカラ」。コーンポタージュスープにトウガラシの油が浮いている。グツグツと煮え立って運ばれてくるそれを見れば、中央には熱された小石が二つ入っていた。
 「ピカンテ・デ・レングア」(牛の舌のピリカラソース)も有名。鉱山労働者が多いせいか、油、トウガラシともに多目で辛い。ウサギや鶏肉のピカンテもある。
 昔のコロニア風の町並みが残るのはスークレ。建物の壁は条例によってすべて白色に統一されている。ここでは「ロンガニサ」(腸詰め)を試したい。クミンなどスパイスがよく効いている。この国にも目立つアラブ系移民の影響かもしれない。
 先住民が愛飲するものといえば「チチャホラ」だろう。トウモロコシを発酵させた酒だ。これを売るお店には赤い旗が掲げられている。ペルーでは赤い造花だった。暑い日に最適。アルコール分は少なく爽やかな味わいがある。
 コカ茶もよく知られよう。友との歓談の席から宗教的儀式まで国民の生活に欠かせないのがコカの葉。高山病予防になるうえ、空腹感をまぎわらすことができる。貧しい高山地帯で生きる民にとって命の糧だ。