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パブ『伯剌西爾』=最高級酒カシャッサ=ドイツの輸出盛ん

グルメクラブ

11月28日(金)

 世界の自然、歴史、文化を一世紀あまりにわたって報じてきた雑誌「ナショナル・グラフィック」のブラジル版にカシャッサに関するルポが登場したのはごく最近のことだ。
 それは主にブラジルを代表する産地ミナス州サリナスの様子を伝えるものだった。話題の軸となっていたのは故アニジオ・サンチアゴとその一家である。
 彼らなしにカシャッサの今昔は語れない。一九五〇年より販売開始した「Havana」は、日本酒でいえば「越乃寒梅」。安直な例えになるが、アニジオの甥が手がける「Canarinha」は、「久保田・萬寿」だろうか。
 「Havana」は少し前に、「Anisio Santiago」と改称。市場から消えたことでプレミオがつき値段は五百レアル近い。「Anisio―」の方も二百レアル前後が相場。「Canarinha」は五十レアルといったところ。
 カシャッサの高級化が目立つ。それに伴い中身はもちろんのことラベル、ボトルともに質が向上している。ドイツを中心にカシャッサ人気の高まる欧州への輸出を伸ばそうとの思惑がある、とみていい。
 最近酒屋でしばし出くわす一本に「Mercedes」がある。なんとも単刀直入、ドイツの某高級車の名前を思い出させるネーミングである。
 パウ・ブラジルの樽で熟成させるため赤色が強く一瞥してカシャッサとは思えない。コルク栓のクリスタル瓶に入って値段は六十レアル。深みのある味わいはさすが高級仕様。ブラジル国名の由来となった木が育てた赤い酒、というところがなんとも洒落ている。
 ゴイアス州オリゾナ産。