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料理研究科の中南米食文化紀行=チリでは海鮮市場へ

グルメクラブ

2月6日(金)

 豊富で新鮮な水産物にまず感動する。港町ではぜひ海鮮市場を巡りたい。どこでも食堂がある。注文するなら刺身もいいが、漁帰りの海の男に倣ってワイン片手に魚貝のスープというのも悪くない。  「アワビ、ウニ、カキ、オイシイヨ」と、日本語で声を掛けられたことがあった。日本からの水産業者や観光客が多いようで醤油、わさびを用意してあったりする。地元ではオリーブオイル、レモン、唐辛子のサルサで食すのが一般的だ。  首都サンチアゴの魚市場でウニ、アワビ、ホヤ、イカの盛り合わせを食べた。薬味のタマネギ、香草と一緒に頂く。市場なので鮮度は抜群だが、この国は他所で衛生的。魚貝を扱う輸送方法、調理技術にも長けている。  先住民族の文化、神話が残るチロエ島に行った。名物「クラント」は、茹でたムール貝のうえに鶏肉、ベーコンの塊が乗った料理だ。一見したところは大雑把?だが、手作りベーコンに新鮮な貝がマッチする。市場では貝や海草の乾物をみた。海苔のようなものまであった。  バルディビア川沿いにある魚市場はアザラシたちが寄って来る。処理された魚の頭や骨を川にぽんぽんと投げ捨てているせいだ。スープのダシに重宝するのでは、と尋ねたら、「魚は捨てるように安いから丸ごと使うんだ」とのこと。  南米一のワインの輸出国(生産はアルゼンチンがトップ)。アンデス山脈のミネラルを含んだ土地、乾燥した気候が上質なワインを作り出す。最大手の「コンチャ・イ・トロ」(巻貝と雄牛)社が首都から車で一時間の郊外にあるので訪ねてみるのもいい。