グルメクラブ 2月20日(金) サンパウロ市旧市街、サン・フランシスコ広場そば、ジョゼ・ボニファシオ街二七〇のレストラン「イタマラチ」は「文壇レストラン」としての顔を持つ。 現代ブラジル文学界を代表する作家リギア・ファグンデス・テレス氏を囲む会が度々開かれている。女史は広場に建つ司法大学の卒業生で、その文壇には後輩生徒たちが ...
続きを読む »記事一覧
料理研究科の中南米食文化紀行=エクアドルに在りし長寿村
グルメクラブ 2月20日(金) 先住民、奴隷だったアフリカ系黒人、そして元宗主国のスペイン人がこの国の文化形成に影響を与えた。 気候・地形も多様だ。雪を頂いたアンデス山脈、アマゾン川流域の熱帯ジャングル、海岸もある。 歴史的に興味深いのはバルディビア遺跡の土器と縄文中期のそれに同一と言ってもいい類似点が指摘されることだ。わた ...
続きを読む »サンパウロ お国自慢料理=台湾担仔麺の思い出=「麗し国」に歴史はつもる
グルメクラブ 2月20日(金) 三、四年前のひと頃、懐は寂しいが、ラーメンを食べたいと願う日本人が随分世話になった店があった。 台湾人一家の経営していた大衆食堂で、リベルダーデ区コンセリェイロ・フルタード街のセー広場寄りに軒を構えていた。 気立てのいい三姉妹が注文を取っていて、われわれの顔をみると、すぐさま「担仔麺ね」と、 ...
続きを読む »コステラの専門店=「カーザ・ダ・コステラ」
グルメクラブ 2月6日(金) 昨年三月に創業したコステラ専門店だ。 焼き上げに手間ひまのかかる、あばら肉。それにとことんこだわるからには相当の自信がある。 日系三世のマナージャー、ニシカワ・セルジオさんは「ウルグアイで特別飼育された牛を厳選している。オランダの食品見本市でも絶賛された」と誇らしげに語る。 火でコステラをじ ...
続きを読む »パブ『伯剌西爾』=元奴隷が創始=カシャッサ「イザウラ」
グルメクラブ 2月6日(金) カシャッサに漬けたリングイッサを焼いて食べると案外旨い。柔らかくなるうえ、持ち味が増すようである。ほんのりと酒が香り、食欲を刺激してくれる効用もある。 むかし、硬い豚肉の繊維をほぐし食べやすくするのにサトウキビ焼酎を用いていた時代がある。雄豚はカシャッソ、雌豚はカサッシャと呼ばれ、ついでその酒も ...
続きを読む »食の話題=カリオカの粋詰まった=ボテキンのガイド本
グルメクラブ 2月6日(金) 退屈な家庭を、口やかましい女房を逃れるため、人と話し意見を闘わせるため、人々は、カフェに出かける。 仏の作家、ユイスマンスはかつて「諸事百般」なる随筆にそう書いた。 未知の人々の中で夢想の孤独に気を紛らせてくれると同時に、会合と交易の場所がカフェである、と。 イギリスではパブが、イタリアでは ...
続きを読む »料理研究科の中南米食文化紀行=チリでは海鮮市場へ
グルメクラブ 2月6日(金) 豊富で新鮮な水産物にまず感動する。港町ではぜひ海鮮市場を巡りたい。どこでも食堂がある。注文するなら刺身もいいが、漁帰りの海の男に倣ってワイン片手に魚貝のスープというのも悪くない。 「アワビ、ウニ、カキ、オイシイヨ」と、日本語で声を掛けられたことがあった。日本からの水産業者や観光客が多いようで醤油 ...
続きを読む »サンパウロ お国自慢料理=ドイツの憧れが生んだ=意外な?名物料理
グルメクラブ 2月6日(金) とある見知らぬ地方で日本料理店の暖簾(のれん)をくぐる。 構えは数奇屋風にして味は界隈一、創業百年の老舗と聞いてきた。なにやら評判の名物があるそうだ。 「お客様もやっぱりアレをご注文なさいますか」、店の者が慇懃(いんぎん)にいう。こなれた口調だ。 なじみの客のごとく、「ああ、きょうもアレでい ...
続きを読む »魚屋さんの入れ知恵=テングニシの贅沢
グルメクラブ 1月23日(金) 珍しい貝をリベルダーデの魚屋で見つけた。主人の三木宗三郎さんに聞けば、「テングニシ(天狗螺)」。ポ語では「Lingueta」と書かれあった。 サンタ・カタリーナ州産。体長二十センチほどの一枚貝で、日本では房総以南の太平洋側に生息する。殻は染色され、祭りの夜店などで売られているそうだ。子どもが ...
続きを読む »パブ『伯剌西爾』=王室御用達?=パラチのカシャッサ
グルメクラブ 1月23日(金) エリザベス女王がパブ(大衆酒場)で堂々とお酒を飲む姿を写した有名な写真があって、時折グラビア誌なんかで見かけることがある。 伝統的に英国王室は左党なようで、国民がこれにさしたる反感を抱いていないのは、懐が深いというか、文化というか。 「王室御用達」のウイスキーもちゃんとある。ロイヤル・ロッホ ...
続きを読む »