サンカルロス 富岡絹子
顔洗ふ猫の朝(あした)や春隣
【猫を飼っていると、よくこの句のような猫の朝の仕種を見るが、縁側や出窓の日当たりのよいところで、丹念に顔を何回も前足で拭いながら気持ちよさそうにしている。 季語の「春隣」は、「春近し」と同じでもうすぐそこまで春が近づいている様子であって、春を待つ〝冬の季語〟である】
続きを読む »2016年9月23日 俳句
サンカルロス 富岡絹子
顔洗ふ猫の朝(あした)や春隣
【猫を飼っていると、よくこの句のような猫の朝の仕種を見るが、縁側や出窓の日当たりのよいところで、丹念に顔を何回も前足で拭いながら気持ちよさそうにしている。 季語の「春隣」は、「春近し」と同じでもうすぐそこまで春が近づいている様子であって、春を待つ〝冬の季語〟である】
続きを読む »2016年9月22日 読者寄稿
6月19日、サンパウロ日伯援護協会・サントス厚生ホームに入居されている三上治子さん(94歳)が、この度、楽書倶楽部に寄稿された随筆を一冊の本に纏められ『徒然なるままに』という随筆集を出版された。 その出版記念祝賀会をしてあげようと、JICAより当ホームに派遣されているシニアボランテイアの与那覇順子さんの発案で100人分の「 ...
続きを読む »2016年9月17日 俳句
サンカルロス 富岡 絹子 顔洗ふ猫の朝(あした)や春隣 【猫を飼っていると、よくこの句のような猫の朝の仕種を見るが、縁側や出窓の日当たりのよいところで、丹念に顔を何回も前足で拭いながら気持ちよさそうにしている。 季語の「春隣」は、「春近し」と同じでもうすぐそこまで春が近づいている様子であって、春を待つ〝冬の季語〟で ...
続きを読む »2016年9月16日 俳句
アリアンサ 新津 稚鴎 煮こごりや義務の如くに飯を食ふ 海暮れてかりがねに遠き星一つ 馬に乗ってから霜消しを所望せる 諦めは安らぎに似て寒夕焼 大根抜きし穴に夕風吹き初めし 秋耕の老にアヌーのつきまとひ 【作者は移民ではなく一人で来てアリアンサに自分の思うままに住みつき、思うままに自分の天地を生り、たとえばチーク ...
続きを読む »2016年9月14日 短歌
サンパウロ 梅崎嘉明
リオ五輪不安の多く言われしが開会式は世界が賞賛
ブラジルの知能あつめし企画とか終始見惚れし夜の更くるまで
日本式におじぎをなして涙する柔道ラファエーラの動作を讃う
ロンドンの五輪で敗れしラファエーラの執念よろし金賞得たり
黒人に日系東洋系の賞多く日毎楽しくテレビに向う
2016年9月14日 俳句
ヴァルゼン・グランデ 馬場園かね
北の人故里語るカジューの雨
【この大都のサンパウロにも二ヶ月あまりの乾季が続いたが、ここ二三日静かな雨があった。仕事場の窓から「ああ!これがカジューの雨であろうか」と暫く墓所の木々を濡らす静かな雨を眺めている…
続きを読む »2016年8月19日 読者寄稿
ブラジル事情に詳しくて、いつも新聞や実業雑誌に投稿されていたAさん。街でお会いすると、いつも向こうから声を掛けて来られ「元気ですか」と挨拶される。私の人生の師であった。 停職となったジルマ大統領が属するPT(労働者党)はルーラ元大統領の人気で与党となったが、貧乏人の集まりの労働者党やその支持団体CUT(労働者組合ウニオン)が ...
続きを読む »2016年8月19日 俳句
アリアンサ 新津 稚鴎われに六句虚子入選句虚子祀る鹿鳴くや二人を娶り戻り来ず木いも擦る土人女乳房ゆすり上げ木いも擦る土人女丸太に掛け並び河波の飛沫とび来る青嵐ゴヤス野の空の広さよ星月夜 カンポスドジョルドン 鈴木 静林七夕や願いは手芸上達を道譜請弁当がかこむ大榾火一日燃ゆる山家囲炉裏の大榾火薪不足 ...
続きを読む »2016年8月19日 短歌
サンパウロ 武地 志津軽量も気迫で乗り切る日馬富士巨体逸ノ城下(くだ)す上手投げ白鵬の手が顔面を被いたる瞬間豪栄道の腰砕け一瞬を松鳳山の変化にて又も不覚を取りし稀勢ノ里両手上げ怯える様の「勢」に白鵬忽(たちま)ち体勢崩れる日馬富士の優勝称え喜びを分かち合いたる人は今亡し「評」千代の富士が大相撲界で「ウルフ」 ...
続きを読む »2016年8月11日 俳句
セザリオ・ランジェ 井上人栄
ときめきの心にも似て春を待つ
【「春を待つ」丁度この頃の季節である。高階から外を眺めると、墓場の森など枯れ色が目立ち侘しい景色が目に入る。林立するビルの中庭や前庭の草木も枯れ色が目立ち、人の出入りもまばらで冬の様相をなしている。
八月から春の季節で、「ときめきの心にも似て」とは、若々しい作者の心情の表れであって、この一句を瑞々しい佳句となしている】