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小川武道館=サンパウロ 二宮春男

「これが五輪に出た証」。柔道連盟から送られた記念プレートを手に、表情を引き締める篠原元代表監督

 私は1946年頃、16歳から3年余、トマス・デ・リマ街にあった小川柔道柔術道場に通って稽古に励んだ。その頃ジアデマは『ヴィラ・コンセイソン』と言われた。その中心から二股に分かれた右側の道路(アスファルトなどなかった)を3km程ほど上ったところの借地で農業をやっていた。 小川道場は多士済々で、テレビによく出でていた今は亡き千葉勇 ...

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リオデジャネイロ五輪=マリンガ 園尾彬 

 最近の日本の報道を見ていると、リオ五輪を「リオでじゃねえよ」というような冗談で、ことさらに「開催危うし」また「リオは犯罪都市で危険」というニュースが多いように思われます。私のようにブラジルに帰化し、当地で生活する日系人としては非常に残念な思いに駆られます。 移住2年後、兄のコーヒー園から4キロ程離れたマリンガ市の小学校の夜間授 ...

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ニッケイ俳壇(895)=富重久子 選

アチバイア  吉田繁

ゴヤス路や秋の入日の大あかね

【ブラジルに移民してこの方、あまり旅もしないのでこのような雄大な俳句には、何時も心引かれる私である。
「秋の入日の大あかね」という言葉の選択で、美しいゴヤス路の夕焼け空の光景が、油絵のように心に描かれる巻頭佳句である】

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ニッケイ歌壇(515)=上妻博彦 選

グァルーリョス  長井エミ子

あかときの霜置き積もる夏草は冬の来たるを黙して知りぬ
霧深く山家の小径ほの白く棒と化したるバッタのむくろ
人間は面白いかと老犬はプッカリコンと白雲飛ぶ日
明け暮れは十匹越える犬どちとそれも良きかな娘の婚家
おだやかに月日流ると言はねども汝のそびらの柔らかになり

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ニッケイ俳壇(894)=星野瞳 選

アリアンサ  新津稚鴎

腕組を解き炎天に出て行きし
流れ星燃え尽きし如移民逝く
パイネーラ花色濃きが侘しき日
受難日は雨山鳩が啼いている
この森のピッタンガ熟れしを誰も知らず

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イグアスーの滝、2人旅(3)=サンパウロ 平間浩二

○3日目 イタイプー発電所見学とパラグァイ行き。 8時にホテルを出発し、8時20分にはイタイプー発電所に到着した。展示室でガイドさんからいろいろと説明を受けたが、専門用語が多く、難しくてチンプンカンプン、そのうちに猛烈な睡魔に襲われてしまった。9時からイタイプー発電所建設のビデオ上映があり、これ幸いと束の間の睡眠をむさぼることが ...

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ニッケイ俳壇(893)=富重久子 選

コチア  森川玲子

身を縮め朝の着替へや冬の入り

【ブラジルの歳時記では五、六、七月が冬季になっているので、六月はまさに冬季の真っ只中である。
 私もこの句の様に、朝は床から出て着替える時身を縮めて大急ぎで重たい衣服を身につけるが、それだけ年老いたのであろうかと思ったりする。季語の「冬の入り」が柔らかく一句を包むように詠まれている】

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ニッケイ歌壇(514)=上妻博彦 選

サンパウロ  梅崎嘉明

九州の地震たえぬを憂う吾に孫は「日本沈没するよ」
日本の地下は空洞なのだよとまことしやかな孫の言説
よそ国のこととて風説ほしいまま広がりて孫の言説自在
小説に「日本沈没」なりしこと思い出しつつうべないて聞く
いますぐに沈没はなし将来のことは気にせず今日を生きよう

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イグアスーの滝、2人旅(2)=サンパウロ 平間浩二

 暫く走ってから比較的大きなカーブに差し掛かった時、船長は突然、急カーブを切った。あわや転覆するのでは・・・と驚愕した瞬間、今度は全員が波しぶきを全身に浴び悲鳴を上げた。 船長は2、3度この恐怖のサービスを繰り返した。いよいよ滝の下に近づくにつれ、徐々に滝しぶきが強くなってきた。そして、滝の下に来ると同時に猛烈な息もつけぬほどの ...

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ニッケイ俳壇(892)=星野瞳 選

アリアンサ  新津稚鴎

虻が来て蝶来て天気葱坊主
着ぶくれて南風寒き国に老ゆ
行く秋や牧場に白き月残し
草山の草分けのぼる秋の風
雲の峰一日崩れず牧遅日

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