サンパウロ 広田 ユキ 四月馬鹿不老長寿てふ薬飲む【「四月馬鹿」は元々欧米の習慣で、四月一日の午前中に軽い嘘をついて人を騙しても許されると言うこと、又騙された人を言う。しかしその風習も最近は余り聞かないようになった。 この句の様に、私共後期高齢者になると子供たちにあれこれと薬を飲まされる。やれビタミン剤、 ...
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ニッケイ俳壇(836)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 白き月見上げ大うねり甘蔗畑マラジョウでニグラとカシンボ踊りもし白蘭の生命の限り匂ふなりこぼれ種子まで生え蕎麦の花盛り寄りそいて鶏頭二本枯れて行く 【正岡子規の写生俳句にたてこもった作者は御齢白寿に達しられた。益々元気だ。】 北海道・旭川市 両瀬 辰江 春の色巷に満 ...
続きを読む »ニッケイ俳壇(835)=富重久子 選
サンパウロ 山本 紀未 旅人木人生航路七転び【「旅人木」は、マダガスカル島原産で芭蕉科、高さ二十メートルにも達する木でブラジルの秋の季語である。その葉は扇の様に広く根元に大きな瘤があり、蓄えたその瘤の水を旅人が呑むと言うことから「旅人の木」として俳句人が句に詠み、私も好きな季語である。クルビ、ピネイロスに ...
続きを読む »ニッケイ俳壇(834)=星野瞳 選
セーラドスクリスタイス 桶口玄海児 マリタカの一群茘枝の畑に来る 若い者に足らぬおやつや畑日永 マンガ樹にマリタカの群今日も来し 西瓜切る九人の子供皆育ち 雨降らす木のある村に喜雨至る 北海道・旭川市 両瀬 辰江 温かや鍋焼うどん麺太し 雪の夜夢の中にて夫無口 日脚伸ぶ心ひろがる思ひして 雪の朝仕 ...
続きを読む »ニッケイ俳壇(831)=富重久子 選
アチバイア 東 抱水 どの町も教会が見え天高し【半世紀前移民してきた時、一番先に目に止まったのが教会の尖塔であって、これがこの国 のカトリック教会だなと納得した。教会は街々に一つでなく、幾つも見られたが、仏教徒の我々には珍しくハイカラに見えた。 この句は実に平坦で易しい俳句であるが、この句のとおり、都会 ...
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