俳句
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ニッケイ俳壇(910)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 淋しさの寒月光に身を委ね 麻州野の大夕焼の森閑と 鳳梨売る砦の如く積み上げて 霧の中飛び来るは皆トッカーノ グァタパラ 田中 独行 巻き風の吹き
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ニッケイ俳壇(907)=富重久子 選
サンパウロ 広田ユキ
からからと音して浅蜊計らるる
【時々魚屋に浅蜊があると買ってくるが、若い魚屋さんは篭に浅蜊を掬って秤の入れ物に威勢よくこぼし入れ、この俳句のように
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ニッケイ俳壇(905)=富重久子 選
サンカルロス 富岡 絹子 顔洗ふ猫の朝(あした)や春隣 【猫を飼っていると、よくこの句のような猫の朝の仕種を見るが、縁側や出窓の日当たりのよいところで、丹念に顔を何回も前足で拭いながら気
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ニッケイ俳壇(904)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 煮こごりや義務の如くに飯を食ふ 海暮れてかりがねに遠き星一つ 馬に乗ってから霜消しを所望せる 諦めは安らぎに似て寒夕焼 大根抜きし穴に夕風吹き初めし 秋耕の老に
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ニッケイ俳壇(903)=富重久子 選
ヴァルゼン・グランデ 馬場園かね
北の人故里語るカジューの雨
【この大都のサンパウロにも二ヶ月あまりの乾季が続いたが、ここ二三日静かな雨があった。仕事場の窓から「ああ!こ
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ニッケイ俳壇(902)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 われに六句虚子入選句虚子祀る鹿鳴くや二人を娶り戻り来ず木いも擦る土人女乳房ゆすり上げ木いも擦る土人女丸太に掛け並び河波の飛沫とび来る青嵐ゴヤス野の空の広さ