セザリオ・ランジェ 井上人栄
極暑とはこんな事かやカアチンガ
カアチンガ中に葡萄の畑あり
2016年3月24日 俳句
2016年3月17日 俳句
サンパウロ 林 とみ代
不況の世のサンタクロースの吐息かな
汚職して国は破産に年果てる
大胆な愛のいれずみ夏の肌
マニフェスト盛となりし聖市かな
2016年3月15日 俳句
ポンペイア 須賀吐句志
労はりの言葉をそへて御慶かな
【新年の祝辞「御慶」は、おめでとうございますという、とても優しい佳い言葉である。
この句はその言葉の次に、きっと自分より年上の親しいお年寄りに「おめでとうございます。ようこそ、お元気でよいお正月を迎えられましたか?」と優しい労わりの声をかけられたのであろう。平坦でありながら優しさの込められた、しみじみ心に染む俳句である】
2016年3月4日 俳句
アリアンサ 新津稚鴎
万緑に滝白刃となり落下
ダムに出て棉消毒の飛機返す
雲の峰育つ牧場を傾けて
草虱とりつつ泣いてゐるらしく
一の斧二全山の露こぼれけり
蟇鳴くや死ねば家系もなき移民
2016年2月25日 俳句
サンパウロ 大原サチ
タツー潜む土盛り上げて黍畠
【「タツー」を一度見た事がある。お手伝いさんが、ノルテの実家に休暇で帰っていた時の土産に、このタツーを持ってきた。勿論死んでいたが硬い甲羅があって痛々しかった。食べられるとの事であったがとてもとても。
タツーの生態を見た者でないと詠めない、動物の貴重な一句であった】
2016年2月18日 俳句
アリアンサ 新津 稚鴎この移住地に果つる運命の暑に耐ふる日本の夜となるを待ち初電話掛乞や仏頂面は生まれつき恐竜より進化せしこの羽抜鶏【作者は百才を迎えた。この二十三日のニッケイ紙に、寿命百才時代の生き方てふ記事があったが、稚鴎さんは俳句をひたすら作る生き方をされるであろうかと思う。第二句集を出されたばかりで ...
続きを読む »2016年2月4日 俳句
サンパウロ 串間いつえ読み尽す新聞二紙や寝正月【「寝正月」とは、忙しい年末の仕事も終 えて新年になり無精寝をすることであるが、ブラジル語ではそんな言葉も聞かないし、こちらは日本のような新年の手の込んだ正月料理をつくったり、新年の来客を迎えたりという事もあまり無く、堅苦しく無いので楽である。 この一句、普段は ...
続きを読む »2016年1月29日 俳句
2016年1月21日 俳句
2016年1月21日 俳句