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文芸

ニッケイ歌壇(520)=上妻博彦 選

サンパウロ  梅崎嘉明

リオ五輪不安の多く言われしが開会式は世界が賞賛
ブラジルの知能あつめし企画とか終始見惚れし夜の更くるまで
日本式におじぎをなして涙する柔道ラファエーラの動作を讃う
ロンドンの五輪で敗れしラファエーラの執念よろし金賞得たり
黒人に日系東洋系の賞多く日毎楽しくテレビに向う

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ニッケイ俳壇(903)=富重久子 選

ヴァルゼン・グランデ 馬場園かね

北の人故里語るカジューの雨

【この大都のサンパウロにも二ヶ月あまりの乾季が続いたが、ここ二三日静かな雨があった。仕事場の窓から「ああ!これがカジューの雨であろうか」と暫く墓所の木々を濡らす静かな雨を眺めている…

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ピンドラーマ 9月号

 コジロー出版社のブラジル情報誌「ピンドラーマ」9月号が発刊された。  オリンピックこぼれ話、各国移民レポート・コロンビア編、ほか恒例のサッカー、グルメ、イベント情報を掲載。  日系書店、日本食店などで配布している。問い合わせは同出版社(11・3277・4121)まで。

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移民の寄稿集が復刊=元JICA隊員が日本で

来社した山田さん

 JICAシニアボランティアとして、モジ・ダス・クルーゼス日本語教育研究会で従事していた山田史子さん(73、神奈川)が編集し、2009年に当地で刊行した寄稿集「移り来て、今 ブラジルの空の下」を一部改訂し、日本で再出版した。  同書はブラジルでの派遣2年間の集大成として、一世による寄稿をまとめたもの。後世に移民の歴史を伝えるため ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(19)

 事件はすぐ上司の吉田さんに報告された、関係者だけで内密に対応が協議された。 「二十六日の火入れ式には大統領の他、日本政府のお歴々も出席することになっており、今更部品が盗まれて火入れが出来ない、などで式典の延期は出来ない」 「大幅に遅れた火入れ日程がまた遅れれば、工事責任者の能力だけでなく、日本の計画や技術が悪いから、と言われる ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(18)

火入れーイナグラソンー来賓入場

 多くの困難を乗り越えながら、日本とブラジルの最初の共同プロジェクトと言われる工事は前進した。本当に鉄を生産することになる高炉の火入れ――操業開始が若干の無理を承知で十月二十六日と決められて、高炉の周辺は一層の騒音と緊迫感につつまれ、戦場もかくやと思わせる雰囲気になった。  工事の遅れを取り戻すため、昼夜兼行の突貫作業が実施され ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(17)

「いっぱいある細かい電線の接続には苦労したな。あれだけ何十本という線を間違いなく繋ぐのには本当に神経が疲れたよ」 「本当にな、電気を通してカラーシグナルがちゃんと設計通りに点滅した時は嬉しかったな」 「エー、ほんとか、リカルド。俺はな、赤や緑のシグナルランプを見てたら、ファブリシアーノの色電気とマリア・ボニータの姿が目に浮かんだ ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(16)

日の丸の旗

 吉田さんは少し間を置いて、皆がここまで理解していることを認めてから、また、続けた。 「それに、日本人の良さが認められ、日本の国に力が付くということは、即ち、ブラジルの日系人、ここに住む日本人の血を引く皆、の地位の向上に繋がることでもあるんだ。今まで日本人は個人レヴェルの力でブラジルの農業に大いに貢献して来たが、今度は大きな資本 ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(15)

高炉と熱風炉(現在のもの)

 今日は吉田さんの話の日で、勝次達も出席していた。吉田さんはブラジル人たちに技術的なことを分り易く説明してくれたが、通訳を通してのポルトガル語での所定の講義が済んだあと、希望者に更に日本語で話すことになった。  自然、日系人ばかりとなり、吉田さんも直接日本語なので、色々とコース外のことを話してくれた。 「ミナスでは世界有数の良質 ...

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実録小説=勝ち組=かんばら ひろし=(14)

ドロドロと鉄が溶けた高炉

 ここミナス州イパチンガ(町)は日本とブラジル合弁の最大のプロジェクトと言われた一貫製鉄所建設の現場だった。  日本側は数百億円の投資をし、ほぼ全ての設備機材を供給し、一方ブラジル側もそれに見合う資金と人員を投下して、まばらに牛が居るような全くの原野だったところに、生産能力五十万トン/年の近代製鉄所を計画し、建設を始めたのである ...

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