文芸
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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(40)
「なんだって、青森かい」「あなた青森に行きましょう」「青森は、ちと遠いよ」 しかし千年は、「しかし、待てよ。ホテルに泊まるより良いかもね。そうだ青森にしよう。そうだ、まず東京に行こう」と考え直した。
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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(39)
二人が降りると、待ち受けていた一人がうやうやしく、「さあ、こちらへ。お荷物は事務所にお届けして置きますから」と、まるで5つ星ホテルでボーイさんから丁重に扱われているような歓迎を受けた。 エレベータで
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香山栄一さんを偲んで=吉田 恭子
7月3日午前11時にイビウーナの香山栄一さんがご逝去されたと、翌早朝、前園さんがメールで知らせてくださった。4月に香山さんとメールのやり取りをした際は、まだまだお元気だったのに・・・と、その後、ご連
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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(38)
第六章 さて、あれから二年半、千年君がピンチの日本へ夜逃げ、二年半まえの前述のお話に繋がる。 バリグ航空機に乗り込み、飛行機が水平飛行になった途端、「千年さん」と声掛けられて、度胆を抜かれた。須磨子
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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(37)
さもありなん。彼女は父親が有名な職人気質の庭園師で、名の知れた厳しい人。質素倹約を旨とした、誠に大和民族の誠心を子孫に残すのが趣味みたいな人物の頑固おやじ。子供たちにも厳しい人と噂があった。その家族
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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(36)
千年くんは素直に「解かりました」というと、二人で支店長室に這入った。「支店長さん私は、ブラジル語が充分話せません。失礼があってはイケませんので、森沢さんに詳しく説明して頂きますがよろしいでしょうか」
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