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文芸

ブラジル生活50年の集大成=自分史「岸本晟文書」出版

案内のため来社した 岸本さん

 1965年に渡伯した岸本晟さん(76、兵庫)は昨年、ブラジル生活50周年の節目を迎えた。その集大成として執筆した書籍『岸本晟文書』を、希望者に配布している。 同書は6部構成。「学移連出身・南伯雇用移住者・在伯五十年の記録」「ポルトガル語による農業分野の発表」「投稿記事と掲載記事」「ブラジル日本移民百年史」「ブラジル農業環境学」 ...

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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(28)

 そこに連れて行き、時計修理見習いで、2人とも住み込みで働かせて貰う事が決まった。もちろん二人の保証人は千年太郎で有った。幸いこの二人は、店主に気に入られ、四年後には店を譲り受け大繁盛。また、その三年後には、義弟の政敏は市議会議員にまで出世して行った。千年太郎を義兄と頼り、何事も相談、義母までが娘婿を信頼した。父親を早く亡くした ...

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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(27)

 「実は近々、もう一か所、種鶏場を新設する事にしたが、岩田さんがどうしても年齢的に自分は無理だと引受けてくれない。そこで岩田さんが、ミランドーポリスで実績のある君に決めて、住宅を用意した。君が来てくれれば、岩田さんも仕事ができる。どうだい、岩田さんは期待している。知らない中じゃないだろう」 これでは否応なし。太郎は目の前がパッと ...

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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(26)

「おいおい誰かは無いだろう」と押し問答の最中、後ろから白いベンタル(上っ張り)を着た技師の中村さんが手を振りながら走って来た。そして、またその後ろから、先の理事長さんが白いベンタル姿で、これまた飛んできた。 これには流石の千年君も驚いた。小河原場長がまだ何か言いたげにしていた。 それを振り切る様に中沢理事長さんが「小河原君、良い ...

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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(25)

 千年は「私が誠心誠意アタックしてみます。笑わないで下さい。これは私が単身、家族に別れ、ブラジルに渡る時から心に誓った信念のひとつです。ですから、私はあの幸子と言う娘が欲しい。一生離れはしません」と一気にぶちまけていた(後に、ご老体が「あの時の千年の剣幕には、魂が籠もっていた」と家族や世間に話し噂さになったとか)。その事は後日話 ...

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『ピンドラーマ』 6月号

 コジロー出版社のブラジル情報誌『ピンドラーマ』6月号が発刊された。 ブラジル版百人一語、ブラジル面白ニュース「ブラジル人の正直レベル」、スイーツチャンネル、ブラジルオリンピック秘話ほか恒例のサッカー、グルメ、イベント情報を掲載。 日系書店、日本食店などで配布中。問い合わせは同出版社(11・3277・4121)まで。

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ニッケイ歌壇(515)=上妻博彦 選

グァルーリョス  長井エミ子

あかときの霜置き積もる夏草は冬の来たるを黙して知りぬ
霧深く山家の小径ほの白く棒と化したるバッタのむくろ
人間は面白いかと老犬はプッカリコンと白雲飛ぶ日
明け暮れは十匹越える犬どちとそれも良きかな娘の婚家
おだやかに月日流ると言はねども汝のそびらの柔らかになり

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ニッケイ俳壇(894)=星野瞳 選

アリアンサ  新津稚鴎

腕組を解き炎天に出て行きし
流れ星燃え尽きし如移民逝く
パイネーラ花色濃きが侘しき日
受難日は雨山鳩が啼いている
この森のピッタンガ熟れしを誰も知らず

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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(24)

 そして「今日はおばさんいるかな」と文雄君が家の中を覗いている。すると返事もしないで顔を出した娘がいきなり、「まあ文ちゃん、今日はなにごと?」「ちょっと通りかかったもんで、声を掛けてみた。おばさんは?」「ここだよ。まぁー久し振りじゃないの。文ちゃん。お母さんやお爺ちゃんは元気かい?」と誠に親しみのありそうな会話に、太郎は親しみを ...

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イグアスーの滝、2人旅(3)=サンパウロ 平間浩二

○3日目 イタイプー発電所見学とパラグァイ行き。 8時にホテルを出発し、8時20分にはイタイプー発電所に到着した。展示室でガイドさんからいろいろと説明を受けたが、専門用語が多く、難しくてチンプンカンプン、そのうちに猛烈な睡魔に襲われてしまった。9時からイタイプー発電所建設のビデオ上映があり、これ幸いと束の間の睡眠をむさぼることが ...

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