文芸

  • ニッケイ俳壇(892)=星野瞳 選

    アリアンサ  新津稚鴎

    虻が来て蝶来て天気葱坊主
    着ぶくれて南風寒き国に老ゆ
    行く秋や牧場に白き月残し
    草山の草分けのぼる秋の風
    雲の峰一日崩

  • 自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(19)

     入ってまずビールを注文。「何かおつまみは」とガルソンが聞く。奥地のフランゴ(若鶏)のから揚げを注文した。昼間の余りにも美味しい味に釣られたのである。でも、出てきたから揚げは、鶏は鶏でも鶏の味が違う。

  • 日本移民108周年記念=囚人の署名 平リカルド著 (翻訳)栗原章子=(7)

     そんなわけで父親と「兄さん」の仲はますます険悪なものとなっていった。いつも言い争いが絶えなかった。兵譽は町に出て、現状に不満をもつ人々の仲間入りをするようになっていた。 「笠戸丸」から二〇年以上も過

  • 自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(18)

     どうやら朝のコーヒー(軽食)なのだ。何とテーブルの上には、大きなスイカとかマモン(マンゴ)とか、色ずいたバナナに、自家製らしいパンが山と出してある。果物、パンはさすがブラジル、上手に出来ていた。しか

  • 自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(17)

     太郎は「おじさんたち、井出利葉さんですか」と尋ねた。「そうじゃが何か」「ああ、良かった。僕はおじさんを探して、サンパウロから来ました。井出利葉さんは「ふうーん、こんな所に用のあるようなもんにゃ見えん

  • 『蜂鳥』

     句集『蜂鳥』330号が発行された。 「蜂鳥集」より3句、「母国語で語れば楽し雨季ごもり」(田中美智子)、「ジカ熱に五輪もかすむ国の秋」(山根敦枝)、「豊穣の朝日輝く胡椒園」(西朋子)。 エッセイには

  • 自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(16)

     そして1960年、いよいよ独立の機運到来では有ったが、行方家の家庭事情、経済事情で、青年達にまで支援援助は至難である。よって「それぞれのプラン計画、望みによって、身の進路を考えてもらいたい」と行方正

  • 2世第1号の人=ジアデマ 松村滋樹

     珍しく早起きして、ソファで血圧を計っていると電話がなった。早朝に電話がなるのはお葬式の話と決まっているので、恐る恐る受話器を取る。「オレオレ。未だ寝てた?」アチバイアのMさんだった。 「聞いて驚くな

  • イグァスーの滝、2人旅(1)=サンパウロ 平間浩二

     カルナバルが終り、その週の日曜日(2月14日)に2人でイグァスの滝を見に行くことにした。私は一度会社の旅行で行っているが、家内と一緒に行くのは今回が初めてである。旅行社は『CVC』で、全国的なネット

  • 自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(15)

     さて、千年太郎青年は、岩下ご夫妻の親愛なるご指導ご鞭撻により、岩下家の主生産品のトマテ(トマト)生産出荷に向けて、頑張って行く。五、六ヶ月はアッと言う間に過ぎた。ところがここで予想だにしなかった事態

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