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文芸

『ピンドラーマ5月号』

 コジロー出版社のブラジル情報誌『ピンドラーマ』5月号が発刊された。 ブラジルオリンピック秘話、千葉康由インタビュー、「カメロー(露天商)万歳」ほか恒例のサッカー、グルメ、イベント情報を掲載。 日系書店、日本食店などで配布中。問い合わせは同出版社(11・3277・4121)まで。

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自伝小説=月のかけら=筑紫 橘郎=(1)

第1章    「若人海を渡る」      一九四五年八月十五日、天皇陛下の玉音放送、「耐え難きを耐え」「忍び難きを忍び」との鶴の一声をもって、大東亜戦争が終戦とあいなりました。その日こそ、真実、国民には春が来たと表現すべきかもしれない。この小説の主人公「千年太郎」(ちとせ・たろう)も、作者「筑紫橘郎」(ちくし・きつろう)も同年代 ...

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ニッケイ歌壇(512)=上妻博彦 選

      サンパウロ      武地 志津なお続く地震活動見舞う雨土砂災害の不安は消えず土地ずれて畠触れぬと農民の苦悩の表情ただに痛まし駆けつけしボランティアの人々ら散らばる瓦礫順次片付く水道電気ガスと息つく暇もなく励む復旧作業員は水にガス復旧成りて表情のふっと和らぐ避難の民ら  「評」髪をととのえてくれる人も現れた、櫛と鋏と ...

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ニッケイ俳壇(888)=星野瞳 選

   アリアンサ         新津 稚鴎屠蘇を酌む我百才をブラジルに野の雨降りそびれたる残暑かな宙を飛び逃げる蛇追ひアヌン二羽草青む牧場に光る沼一つこぼれ種子まで生える蕎麦の花盛り【百才を迎えたこの作者はまだ元気一ぱい、たのもしい限りである】   ペレイラ・バレトット    保田 渡南開拓の孫が市長や風香る山焼きし種蒔きしこ ...

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ニッケイ俳壇(887)=富重久子 選

   サンパウロ         平間 浩二里山の一村挙げて吊し柿【秋も深まってくると、この「吊し柿」が店頭に並び懐かしくてよく買い求める。 この句の「里山」とはスザノあたりの地方であろうか。スザノ地方では柿の出る頃は、吊し柿や串柿作りで忙しいことであろう。 「里山の一村挙げて」と言う詠みだしの言葉がとても印象的な佳句であった】 ...

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『西風』第3号を刊行=貴重な体験談や読み物も

表紙

 西風会(中島宏代表)は『西風』第3号(172頁)を3月に刊行した。サンパウロ人文科学研究所のメンバーを中心に毎月1回集まって議論をする集まりで、体験談や調査内容を半年に一度ほど100部程度出版しており、それが3冊目となった。 「第2次世界大戦開戦直前の船旅」(宮尾進)はアリアンサ移住地生まれの本人が9歳の時(1939年)、信州 ...

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ニッケイ歌壇(511)=上妻博彦 選

      バウルー       小坂 正光二十歳にて人生の目的何ぞやと求道青年宗教書読破す宗教書全てを読めど青年は悟りに至らず断食をなす三度目の断食なすうち青年は心の内にひらめきを得る人生の悟りは愛行奉仕在りと悟るや青年喜びに満つ若き日の青年多く道求め難行苦行に入り行くなり  「評」小坂氏自身を客観視した作品群である。四首目に ...

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ニッケイ俳壇(886)=星野瞳 選

   アリアンサ         新津 稚鴎念腹の残党奥地の虚子忌わする山鳥が鳴く移住地に蕎麦を蒔く咲き満ちて百日草が今主役我を見ており鰐の眼のまたたかず春惜しむ角笛を吹き鳴らすなり【いよいよ百才をむかえられた稚鴎さん。必ず投句を忘れずにして下さる。物忘れがひどいとは云われるが】   プ・プルデンテ       野村いさを鬼も嗤 ...

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ルーラさんの功罪=パラナグア 増田二郎

 この頃、テレビをつけたり、あるいは新聞や週刊誌をめくると、目に入るのはPT(労働党)政権の汚職事件ばかりです。その水増し予算や公共事業費ピンはねは通常の度を越し過ぎていて、ここに至ってとうとうジルマ大統領の弾劾裁判に発展しようとしています。 ブラジルの歴代大統領にも、規模の大小こそあれ、汚職問題はありました。記憶を遡れば、20 ...

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ニッケイ俳壇(885)=富重久子 選

   カンポ・グランデ      秋枝つね子夏の雲ぼんやり見てる九十才【雲の美しさは色々あるが、特に夏の雲は変化が多い。『綿帽子雲』『積雲』『雲の峰』等。 作者は広く養鶏をしていて、もう九十歳といわれる。仕事の合間にほっと一息ついて空を見上げると、青空に夏雲が快く広がっていて、それを何気なくぼんやりと心地よく眺めている姿であろう ...

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