文芸

  • チエテ移住地の思い出=藤田 朝壽=(12)

     周りに誰もいないベンチに腰かけて勢い話は本のことになる。何と言っても今日の掘り出し物は「金子薫園の短歌の作り方」と私が言えば、いや 谷崎潤一郎の「文章読本」もいい、と品次君が言う。 ウニオン区の青年

  • ニッケイ歌壇(505)=上妻博彦 選

    サンパウロ  坂上美代栄

    札束を吐き出すパイプ写されし汚職まみれのペトロブラスよ
    大物に小者絡まりあばかれしあちらこちらに火の粉が散れる
    汚職の根掘れ

  • ニッケイ俳壇(874)=星野瞳 選

    アリアンサ  新津 稚鴎

    原始林の深き眠りや初明り
    河へだて牛啼き交わす夕立晴
    色褪せし旱の蝶のとぶばかり
    木々芽吹く息吹に昿野霞む日々

  • 新年を祝う=サンマテウス 松本正雄

     ニッケイ新聞愛読の皆さん 新年おめでとうございます。近頃は何がおめでとうか分かりません。若かりし頃は新年を迎えますと、一年の計は元旦にありとか何とか言って色々と希望もありましたが、還暦を当に(12)

  • チエテ移住地の思い出=藤田 朝壽=(11)

     常日頃欲しいと思っていた本がある。 「万葉集評釈 江戸時代和歌評釈」「子規・節・左千夫の文学」佐々木信綱の「豊旗雲」谷崎潤一郎の「文章読本」「朗吟名詩選」福沢諭吉の「人生読本」バルザックの「この心の

  • チエテ移住地の思い出=藤田 朝壽=(10)

     祖母も起き出しておくどさんに火を燃やしている。ゴーゴーとコーヒー豆を挽く音がする。やがて祖母は大きなカネッカにコーヒーを注いで持ってきてくれる。 七月の朝寒に飲む熱いコーヒーは香りも高く何ともいえぬ

  • チエテ移住地の思い出=藤田 朝壽=(9)

       (3)梱包の歌集は日の目を見た  昭和十九年の七月某日の午過ぎであった。私は運搬業をしているK君から一通の封書を受け取った。 開封してみると「あなたの望んでいる品が一昨夜着いた。直ぐ来い」とだけ

  • 「日本文化」

    子や孫の日本を見る目が変わる=青年図書館ニッケイ新聞 『日本文化』刊行=好評「国際派日本人講座」ポ語に

     「これを読めば、息子たちの日本を見る目が変わる」――毎週土曜付けで掲載されて好評を博している「国際派日本人要請講座」のルビ付きの日本語と、ポ語訳を一緒にした本『日本文化(Cultura Japone

  • チエテ移住地の思い出=藤田 朝壽=(8)

     「次は第二句だ。いいかね。人山ヒトノテノヒラに、この第二句は解読するのに時間がかかったが苦心してやっと解くことが出来た。人山人は、仙人のことだ。人べんに山は仙だ。仙の下に人があるから仙人となる。次は

  • ニッケイ俳壇(873)=富重久子 選

    リベイロン・ピーレス  中馬淳一

    ささやかに生きてつつまし晦日そば
    万燈の電飾夜空パウリスタ
    除夜花火終れば空はもとの闇
    年毎に除夜の鐘

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