文芸
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『楽書倶楽部』 29号
随筆集『楽書倶楽部』第29号が発表された。 「奴隷と移民 ②」(梅崎嘉明)「アマゾンの植物誌26」(醍醐麻沙夫)「私の生きる指針とする言葉」(有澤真理子)「戦後70年過ぎて」(荒木昭次郎)「海を
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宿世(すくせ)の縁=松井太郎=(25)
私は孫に玩具を買ってやりました。そこをでてもまだ早かったので、セアザ(中央市場)を見学しました。家では一日はすぐたつのに、このような行楽にはいろいろなところがみられて、一日はながいものです、村の会館
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鹿児島が記念誌発刊=百周年から2年越しに
鹿児島県人会(松村滋樹会長)がこのほど、1913年から始まる同会の歴史をまとめた創立百周年記念誌を刊行した。日ポ両語で全カラー216頁。 前田十郎左衛門による県人のブラジル初上陸(1869年)から、
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宿世(すくせ)の縁=松井太郎=(24)
彼女はそれでもこっそりと日記はつけているようであった。太一に見られるのをとても嫌っていたので、サンパウロ市に転居のさい、すべて焼いたか捨てたかにちがいなかったのに、その一冊が残っていた。太一は興味を
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ニッケイ歌壇 (495)=上妻博彦 選
サンパウロ 水野 昌之 昼寝時に限って電話で起こされる「間違い、ご免」という人からだ誰からか電話きそうな気配する休日つづくひとりの真昼裾分けのケーキのお礼の電話受く声の高さで喜び
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ニッケイ俳壇 (852)=星野瞳 選
アリアンサ 新津 稚鴎 冬日負い軍平胸像顔暗し首ふって歩く他なき時雨牛犬の嗅ぐ物より翔ちし冬の蝶どびろくや転耕とどむ術もなく土深く想思樹の実を植えにけり セーラドスクリスタ
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宿世(すくせ)の縁=松井太郎=(23)
太一はそんな連中とはかかわりはなかったが、金まわりの早いチシャ作りをはじめたのであった。丈二が食料品店を買ってサンパウロ市にでるまでに、R村で二十年ちかくの歳月がながれている。その間に千恵の両親は亡
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平野運平伝記『森の夢』=サンパウロ市文協で無償配布中
平野運平の生涯を描いた醍醐麻沙夫氏の著書『森の夢 ―平野運平と平野植民地の物語―』(初版1979年、216頁、パウロス美術印刷)が、サンパウロ市文協事務局にて無償配布されている。限定80冊。 同植民
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『ブラジル日系文学』 50号
『ブラジル日系文学』第50号が刊行された。 50号記念短編特集「十字架のある風景」には「月光のうさぎ」(山野優花)、「消えたお見合い」(鎌谷あきら)等、10本を掲載。「わがふるさとの歌②」(オダ・テ
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戦後派と呼ばれて60年=イビウーナ 瀬尾正弘
早いもので、コチア青年移民はブラジルに渡って今年で還暦を迎えた。戦後移民として1955年より12年間にわたって、日本全国より2500人が移住した。18~25才までの独身移民で、戦後育った若人なので、