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文芸

練習艦隊=サンパウロ 永松通一

 8月5日午前9時、サントス港のブラジル海軍桟橋に海上自衛隊の練習艦隊「やまぎり」と「しまゆき」の2隻が接岸して、入港式典が行われた。旗艦の練習艦「かしま」はリオデジャネイロに分散入港したため、艦隊の司令官不在で実習士官、個艦乗組員も半減して、過去の式典に比べると簡素なものだった。 私もブラジルに来て52年。練習艦隊とは長い付き ...

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日本とチリ、海を通じる結びつき(2)=チリ・サンティアゴ在住 吉村維弘央(いくお)

 航海日数51日、航行距離5374海里を経て、4月15日、バルパライソに入港した。日本海軍練習船の初めての訪問でもあり、伊藤艦長は詳細な報告を海軍省に提出している。その、報告の中の一部を下記する。【チリ国は南米大陸アンデス山麓の西にあり、国土は細長く北はカマロネス河を境としてペルーにつながり、東はアンデス山脈をはさみボリビア、ア ...

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宿世(すくせ)の縁=松井太郎=(22)

 太一は五粁の山道を自転車でバスの始発所までゆき、M市まで出てもらった小切手を銀行に預けた。帰りにはちょっとした贅沢品などをもとめたい余裕が気持ちにういた。その頃から、太一は邦人のバザールにおいてある本棚をのぞいてみるようになった。住まいは草ぶき泥壁の小屋であったが、夕食にはあかるいアラジンの石油ランプの下、家族が食卓をはさんで ...

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ニッケイ俳壇 (851)=富重久子選

   サンパウロ         田中美智子 果てしなきゴヤスの大地冬景色【旅吟について、「ブラジリアの建築群を見てゴヤス高原の中の幾つもある滝を巡る旅で、地下には豊かな水源があり、澄んだ水が流れていました。広いブラジルの多様な自然の一部を見る事の出来た旅でした」とあり、お手本の様な立派な旅吟であった】 冬街道広野を渡る風の旅冬 ...

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『ピンドラーマ』

 コジロー出版社のブラジル情報誌『ピンドラーマ』8月号が発刊された。 「ブラジル版百人一語」「ブラジル社会レポート~賛否両論の成人年齢引き下げ~」に、役立ちアプリ情報やサッカー、グルメ、イベント情報も掲載。 日系書店、日本食店などで配布中。問い合わせは同出版社(11・3277・4121)まで。

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宿世(すくせ)の縁=松井太郎=(21)

 その当時、太一の父母は亡くなっていた。干恵の弟に太一の妹がいっている関係で、別れ話にならなかったものの、妹はーそれ見たことかーと冷笑しているようであった。太一はなるべく義父に負担のかからないように気をつかったが、事は急なことだったので一時鶏小屋を改造して住んだ。義父はちかくの地主イタリア系のルイザ奥さんの土地を、一域借地してく ...

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宿世(すくせ)の縁=松井太郎=(20)

 太一は長女が小学校にあがる年令になったので、自分らの環境を考えて、同胞と接触できる地域に住みたいと思った。某植民地で土地を売るという人にあった。地主がすて値だという金額でも、十域となると太一にはまたまた手はだせなかったのである。ところで、世話をしてくれる者があってH村で借地することができた。その村はいわゆる勝ち組の集団地で、借 ...

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宿世(すくせ)の縁=松井太郎=(19)

 後に婆さんはある老人によばれてU町にこすと、息子のジュリョというのが嫁のベネジッタをつれて引き越してきた。そしてすぐに馬に曳かしてやる泥こねの仕事についた。それが夜になると隣にきかすように騒がしいのである。 ある夜、隣の部屋があまりにもきしむので、目ばしこいのと好奇心の人いちばん強い千恵は、耐えきれずに板壁の節目からのぞいてみ ...

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日伯外交120年の絆・日本祭り=サンパウロ 平間浩二

日本祭り会場入り口にて

 26日は前日の豪雨と打って変わって雲一つない晴天に恵まれた。最終日の今日は、それにふさわしい最高の日本祭り日和となった。 ジャバクァラ・メトロ駅からサンパウロ・エキスポセンター行きの無料送迎バスがピストン輸送している。そのバスに乗ろうとしている行列を見て驚いた。毎年乗っているが、今年ほどの長蛇の列はなかった。待つのは苦痛であっ ...

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遠山の金さん(入墨考)=ピラール・ド・スール 伊勢脇英世

 鎌谷さんも書いて居られるように、きれいな肌に入墨はいただけません。ぶっ殺しても死にそうもない大男が、腕がまっ黒になる程施してあるのも受入れ難い。 入墨のそもそもの始まりは大昔、一般市民と罪人を区別するために為政者が思いついた模様です(50年以上前の『オール讀物』の、誰の作品だったか『無宿人別帳』にありました)。 ずっと後の話に ...

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