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文芸

南青協=『それぞれの50年』刊行=半世紀の生き様を収録

 ブラジルの辺境に開拓を挑んだ南米産業開発青年隊員326人全員が着伯50余年を迎えたことから、同青年隊協会(渡邉進会長、会員150人)がこのほど記念誌『それぞれの50年』(360頁、80レアル)を刊行した。約50人の隊員の手記が中心。5年の歳月を経て完成した。 同制度は1956年に始まった。隊員らはパラナ州ウムアラーマの訓練所で ...

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『のうそん』 第271号

 『のうそん』5月号が発行された。 随筆「宝の持ち腐れ」(増田二郎)、「私の母」(城間君枝)、「妻と寄り添って」(仲間マウロ)、小説「一泊旅行」(山口国子)、「旅路・橋の上から」(田口作夫)ほか。 問い合わせは日伯農村文化振興会(11・2409・1862)まで。

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パナマを越えて=本間剛夫=98

 それから間もなく、私がベッドに横になろうとすると電話のベルが鳴った。パウリーナからだった。 エスタニスラウは今ごろたぶんゲバラとドブレに会っていると思う。それから彼女は私がゲバラについて十分な認識がないと見たのか、ゲバラが現在までどんな活動をしているのかを説明した。 ゲバラが医師であること。学生時代、彼は考古学を専攻していたが ...

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パナマを越えて=本間剛夫=97

 待つほどでもなく二人の若い女性が姿を見せ、一人が自分はパウリーナと名乗り、同伴の女性をターニアと紹介した。大使館の中には昼食時で誰もいない。私は面接室に二人を招いて向かい合った。パウリーナはドイツ人といいながら流暢なスペイン語を話した。二人ともアルゼンチン生まれのドイツ系だった。 私はエスタニスラウがこの町に来たはずだがという ...

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『蜂鳥集』

 句集『蜂鳥』324号が刊行された。 「蜂鳥集」より3句、「信じたき性善説や復活祭」(田幹夫)「飛機去るをランプ消し待つ和語夜学」(建本芳枝)「飢え知らぬ民は幸せカルナバル」(酒井祥造)、「旅吟 スペインの旅」(林とみ代)、「素晴らしき出会い」(高谷幸子)、「消えゆく日本語」(五味国夫)ほか。

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パナマを越えて=本間剛夫=96

 私は昨日はサンファンを見、今日はこちらの移住地が立派だと聞いてきました、と率直に答えた。「じゃ、うしろの車にお乗んなさい」と老人は馬を止めてくれた。「わたしたちはアメリカさんのおかげで、ラクな暮らしができるようになりましたです」と満足げに馬に鞭をいれた。 老人は途中、雑貨店にメリケン嚢を担ぎ込んですぐに出てきた。老人はそれから ...

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パナマを越えて=本間剛夫=95

 私は組合事務所の職員たちに勧められて三日を費やして移住地の農家を訪ね廻った。どの家族も過ぎた十年間の苦労を、今では懐かしい思い出として話してくれるのが嬉しかった。 移住者たちはめいめい五〇ヘクタールのジャングルの大半を開拓して見事な農地を経営していた。産物の大部分は隣国ブラジルの市場に出せるようになったという。 小学校も完備し ...

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梅崎嘉明氏が作品集発表=書き下ろし小説も収録

『奴隷と移民』表紙

 梅崎嘉明氏が作品集『奴隷と移民』を上梓した。エッセイ「時代の変遷」「砂蚤とベルネ虫の話」短歌「歩道詩」「生ける屍」「光源都市」等を収録。 書き下ろし小説「奴隷と移民」は戦前の移民家族を描いたもので、短編ながら読み応えのある作品になっている。 梅崎氏は長年作家として活動しており、これまでにも数多くの歌集や小説集を発表し、数々の賞 ...

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ブラジル特報5月号

 日本ブラジル中央協会の会報「ブラジル特報5月号」が発行された。 「サンパウロの水瓶、干上がるカンタレイラを教訓に」(掘坂浩太郎)「最新コーヒー事情」(山村嘉宏)「3・15デモと表現文化の伝統」(深沢正雪)など、各専門家による政治、経済、文化等、幅広い分野のブラジル最新情報を掲載している。 会員になれば、最新版をPDFで閲覧でき ...

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パナマを越えて=本間剛夫=94

「日本からですか。珍しいですね。日本からの訪問者は年に一人か、全く来ないこともあるんですよ。私たちは日本政府の棄民政策でここに入れられたんです。しかし、自分らの苦労の歴史よりも、現在、母国のすばらしい発展は、そんなことは忘れて日本人としての誇りをもてて辛いを感じる方が強いです……。ここの農産物も年々周りの国々へ出るようになりまし ...

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