文芸
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南青協=『それぞれの50年』刊行=半世紀の生き様を収録
ブラジルの辺境に開拓を挑んだ南米産業開発青年隊員326人全員が着伯50余年を迎えたことから、同青年隊協会(渡邉進会長、会員150人)がこのほど記念誌『それぞれの50年』(360頁、80レアル)を刊行
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『のうそん』 第271号
『のうそん』5月号が発行された。 随筆「宝の持ち腐れ」(増田二郎)、「私の母」(城間君枝)、「妻と寄り添って」(仲間マウロ)、小説「一泊旅行」(山口国子)、「旅路・橋の上から」(田口作夫)ほか。 問
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パナマを越えて=本間剛夫=98
それから間もなく、私がベッドに横になろうとすると電話のベルが鳴った。パウリーナからだった。 エスタニスラウは今ごろたぶんゲバラとドブレに会っていると思う。それから彼女は私がゲバラについて十分な認識が
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パナマを越えて=本間剛夫=97
待つほどでもなく二人の若い女性が姿を見せ、一人が自分はパウリーナと名乗り、同伴の女性をターニアと紹介した。大使館の中には昼食時で誰もいない。私は面接室に二人を招いて向かい合った。パウリーナはドイツ人
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『蜂鳥集』
句集『蜂鳥』324号が刊行された。 「蜂鳥集」より3句、「信じたき性善説や復活祭」(田幹夫)「飛機去るをランプ消し待つ和語夜学」(建本芳枝)「飢え知らぬ民は幸せカルナバル」(酒井祥造)、「旅吟 スペ
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パナマを越えて=本間剛夫=96
私は昨日はサンファンを見、今日はこちらの移住地が立派だと聞いてきました、と率直に答えた。「じゃ、うしろの車にお乗んなさい」と老人は馬を止めてくれた。「わたしたちはアメリカさんのおかげで、ラクな暮らし
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パナマを越えて=本間剛夫=95
私は組合事務所の職員たちに勧められて三日を費やして移住地の農家を訪ね廻った。どの家族も過ぎた十年間の苦労を、今では懐かしい思い出として話してくれるのが嬉しかった。 移住者たちはめいめい五〇ヘクタール
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梅崎嘉明氏が作品集発表=書き下ろし小説も収録
梅崎嘉明氏が作品集『奴隷と移民』を上梓した。エッセイ「時代の変遷」「砂蚤とベルネ虫の話」短歌「歩道詩」「生ける屍」「光源都市」等を収録。 書き下ろし小説「奴隷と移民」は戦前の移民家族を描いたもので、
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ブラジル特報5月号
日本ブラジル中央協会の会報「ブラジル特報5月号」が発行された。 「サンパウロの水瓶、干上がるカンタレイラを教訓に」(掘坂浩太郎)「最新コーヒー事情」(山村嘉宏)「3・15デモと表現文化の伝統」(深沢
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パナマを越えて=本間剛夫=94
「日本からですか。珍しいですね。日本からの訪問者は年に一人か、全く来ないこともあるんですよ。私たちは日本政府の棄民政策でここに入れられたんです。しかし、自分らの苦労の歴史よりも、現在、母国のすばらしい