文芸

  • 祖父と御嶽山=サンパウロ 新井知里

     昨年、突然大きな噴火をして日本中を驚かせた御嶽山。長野県生まれの私は、特別大きなショックを受け、すぐ懐かしい母方のおじいちゃんを思い出した。 祖父は、長野県飯田市の繁華街に広い自転車店を持っていた。

  • 『セラード』はおもに幹の曲がったまばらな灌木とイネ科植物を主とする低木をまじえた草原。(1991年8月出版 農業総合雑誌アグロナッセンテ57号より)

    ニッケイ俳壇(839)=富重久子 選

       サンパウロ         串間いつえ 身に入むや故人となりし事知らず【「身に入む」は、秋も深まって寒さが身に入むと言うことと、また身内に深く感じ主観のこもった意味あいもある「深秋の季題」である

  • パナマを越えて=本間剛夫=85

     明日から旅行会社の案内で京都、奈良を廻り、大阪から帰途にすくというエスタニスラウの言葉に戸惑った。「もっとゆっくり話す時間がないのか……」 私はアントニオとも話したかった。エスタニスラウは私という人

  • 焚き火でじっくりとシュラスコをする様子(Foto: Francielle Caetano/PMPA)

    ガウショ物語=(29)=娘の黒髪=《4》=全てがだらけきった野営地

     もうちょっと歩いて、ようやく目的地に着いた。原っぱの真ん中に大きな焚き火が燃えていた。周りには串刺しの肉が並べられ、焼ける肉から落ちる脂がジュージューと音をたてていた。炭火の上には鉄のやかんが並べら

  • パナマを越えて=本間剛夫=84

    「生活費は必ず送金する。決して心配しないでくれ。子供たちも成長すれば、それぞれの方向に進むだろう。それまでは親の勤めだから、きっと送金する。おれ一人で行かせてくれ」 私は家内の納得につとめる傍ら秘かに

  • セーラ・ガウーシャの農村の光景(Foto Eduardo Seidl/Palacio Piratini)

    ガウショ物語=(28)=娘の黒髪=《3》=「ファラッポスをやっつけろ」

    「ですが……やつを殺さないのですか…… 縛るだけですか……」「そうだ!脅してやるだけだ……」「それで、愛人のほうは……ぶん殴るんじゃ……ないんですか……」「いや! 恥をかかせるだけでいい……」「じゃ、

  • パナマを越えて=本間剛夫=83

     私はためらいながら、「そのことなら、ゲバラと会っています」とエスタニスラウ杜の会談のもようを話すと、大使は「そうだったのか」と大きく頷いた。 私には三人の子がいた。一人は中学、二人はまだ小学生だった

  • ガウショ物語=(27)=娘の黒髪 =《2》=「とびきり上等な焼肉だ!」

     牛飼いのジュッカ・ピクマンが先頭を行き、おれ達を枝や蔓が絡み合った茂みに導き込んだ。枝を切り落としたり、棘から身を守ったり、血を吸う薮蚊を手で叩きながら森の中を進んだ……。誰も口をきく者はいない。若

  • パナマを越えて=本間剛夫=82

     翌日昼ちかくなってエスタニスラウから電話がきた。それは外務省の役人が通訳と案内役をつとめてくれることになったから、今日来なくてもいいというのだ。アルゼンチン人のゲバラが偽名し、しかもブラジル人として

  • 夫婦別姓=サンパウロ 駒形秀雄

     現在、日本では『夫婦別姓』の議論が盛んになっています。現在日本の民法では男女が結婚した場合、その夫婦の姓(苗字)をどちらか一方の苗字に統一することになっていて、例えば『中村ともこ』さんが山田さんと結

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