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文芸

被爆者90人の証言集=協会が『魂の叫び』刊行

来社した盆小原さん

 ブラジル被爆者平和協会(森田隆会長)は設立30年を機に、広島、長崎で被爆した後に南米へ渡った90人の証言集『南米在住ヒバクシャ 魂の叫び』(247貢、コジロー出版)を刊行した。一冊20レアル。 同協会が1988年から行っている健康調査アンケートを基に、90人分の被爆体験を収録。被爆時の年齢や場所とともに、当時の悲惨な光景や移民 ...

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花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=62

 一九六〇年~七〇年代の元、花の駐在員夫人に、 「蚤だったのかしら、サンパウロからニューヨーク間でモドモドして困ったわ」と言えば絶句してしまった。一九六・七〇年代に飛行機に乗りブラジルと日本を往復できるのは、大方はこうした駐在員やコロニアでも富裕の人達ばかりだったからである。 だが庶民用とでもいうか、十回払いの月賦のチケットもあ ...

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『余暇』第6号

 中田教室(中田みちよ主宰)による文集『余暇』第6号が発行された。 「ハロウィンと黒猫」(大塚トミ子)「『メイド・インジャパン』を見た感想」(空出木)「季節感」(鎌谷昭)「イチラピーナの町」(栗山舎人)など生徒らによる作品のほか、中田主宰による「ギリエルメ・デ・アルメイダ館によせて」などが収録されている。全196頁。

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花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=61

 それゆえジョアキン・ゲーデスの看板を揚げて工事が始まったのだが、大家ジョアキン氏は大邸宅ばかり造っていたから、 「こんな小さな家は始めてだ」と言ったらしい。しかも、その時の持ち金では、家の玄関と裏口のドアをつけるしか出来ないことがわかっており、後の工事は稼ぎながらぼつぼつ仕上げていくという、ブラジルの超庶民の建て方で工事するこ ...

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神戸移住センターから見た移民史=日伯協会の黒田理事著す

 ブラジル日本移民に焦点を当てた著書『神戸移住センターから見た日本とブラジル』(黒田公男著、221ページ、神戸新聞総合出版センター)が今月、日本で発売された。来年は外交樹立120周年を迎えるが、日系移民の歴史は1908年、神戸港を発った笠戸丸から始まった。 送り出した側の国立移民収容所(その後、神戸移住センター)に所在する「日伯 ...

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花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=60

 その友人たちも、画家仲間や安定した生活をしているコロニアの家庭人が多く、この頃の男たちの唯一の娯楽であるマージャンのメンバーとして呼んでもらい、家庭料理もたびたび口にしたそうだ。独身であることを楽しんでいたこの時期に、私の美顔術のお客さまと同じ客だった三菱商事の駐在員夫人達から私との結婚を勧められたことで、花嫁移民を迎えた他の ...

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花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=59

(三)は、武田さんに勧められて半年後のこと、武田さんから紹介された三菱商事の奥様方の紹介で、一九六八年五月に結婚することになった。今まで思いもしなかったが、この文章を書きはじめてみたら、すべて武田さんに繋がっていることに気付かされた。 この三つの思い出のある武田さんは、私が知らない間に日本へ引き上げて亡くなっている。武田さんが「 ...

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『蜂鳥』

 句集『蜂鳥』321号が刊行された。 「蜂鳥集」より3句「物語始るごとき春の闇」(田中美智子)「風車バスの乗り場に来て別れ」(間部よし乃)「噛み合はぬ会話や老いの春は行く」(富岡絹子)、特別寄稿「花の中」(伊那宏)、旅吟「小樽」(橋鏡子)、「フランス・イタリアの旅」(井上人栄)、エッセイ「ひえゆき人形」(串間いつえ)ほか。

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ピンドラーマ11月号

 コジロー出版社のブラジル情報誌『ピンドラーマ』11月号が発刊された。 「各国移民レポート メキシコ編」「クラッキ列伝」「パッサリニャー」「ブラジル緑の歳時記」など。サッカー、グルメといった毎月のコーナーも掲載。 問い合わせは同出版社(11・3277・4121)まで。

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花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=58

 コチア青年の花嫁たちのように耐えて夫婦で築きあげようというのではなく、チャタレイ夫人まがいのデッチ上げの不倫を、夫の目に触れるように書き置き、 「あなたは契約移住者としての義務があり、拘束され困っていますが、私には束縛されるものは何もありません。戸籍上の妻ではありますが、これを捨てたところで大きな罪にはならない。はっきり申し上 ...

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