文芸
-
花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=40
私が仲居やホステスになっていれば、料亭やバーで働いている女性達が仲間としてかなり詳しい事情を打ち明けたであろうが、私は彼女たちの仲間ではなかった。 美顔術が縁となったある既婚者で二人の男の子の
-
花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=39
蚤の攻撃は夜毎にあまりにも酷く、私はリベルダーデ広場にある高層アパートに住む未亡人が、内職にしているペンソンに移った。ここでは、作りたければ台所を借りて料理を作ることも許され、OLの若い娘達は、簡単
-
花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=38
単身移民をした青年であったから、こうした不幸がなければ、やはり日本から花嫁を呼び寄せて家庭を築いたに違いない。みな自分のことで精一杯で、それきり彼は同船者たちの話題にあがらなかった。 日本人の顔はし
-
花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=37
ペンソンでは、二段ベッドを二つ置いた四人部屋で、こういうのを「バーガ(場所)を借りる」と言うらしいが、この頃、私はその呼び名を知らなかった。 窓側に机が、ドア側に洋服タンスがあった。寝ると蚤に襲われ
-
花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=36
ブラジルでは総て、エディフィシオ(アパルトメント)と呼び、豪華であればこちらが勝手に「あそこは、パラシオ」と呼ぶのである。私が紹介されて行ったパラシオは、家なら二階建てと表現できるが、アパートの場合
-
楽書倶楽部25号
随筆集「楽書倶楽部」第25号が日毎叢書企画出版から発行された。 「民にとって国とは何か?」(中村勀)「森中の道」(小野寺郁子)「ちょっと歴史を思う」(宮村秀光)「アマゾンの植物誌22」(醍醐麻沙夫)
-
花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=35
そんな同船者を、私は次々と松岡家に連れて行った。春子の人柄に安心していたからであり、春子も大きく受け入れて、昼食を度々振舞ってくれたりした。旅行者や駐在員ではなく新来移民と分かれば、移民という連帯感
-
『椰子樹』
椰子樹9月号(362号)が刊行された。 「わが愛する歌人(14)釋迢空(しゃくちょうくう)」(岡野弘彦)、講演「日系社会の現状と将来」(宮尾進)、題詠「平和」独楽吟「…なきぞかなしき」、作品集ほか。
-
花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香=34
その日の大使夫人の横柄な態度に、裕次郎が立腹し、 「おい、お前さんこの家の女主人らしいが、ここじゃ大層な家に住んじゃいても、日本に帰りゃ長屋にでも住んでるんじゃねえのか。ここでいい思いができるのも、
-
ピンドラーマ、10月号
コジロー出版社のブラジル情報誌『ピンドラーマ』10月号が発刊された。2006年6月に創刊し、今回で100号を迎えた。 「ブラジルビジネスで失敗しない秘訣」「ブラジル版百人一語」「さんぱうろぐるめうを