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文芸

連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(166)

 古川記者が、「ジョージも一緒に呼び戻して羅衆に・・・」「ジョージさんは過去にはいなかった方ですのでこれ以上活躍出来ません」「役に立たないのであれば呼び戻しましょう」「村山羅衆や小川羅衆もついでに現在に呼び戻します」 古川記者が心配顔で、「中嶋さん、インディオ達は仏教に帰依しますか?」「ブラジリアの空港でたくましいインディオ達を ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(165)

「私の力不足です」 中嶋和尚は生き仏になろうと決心した、その時、精霊の群れが二つに分かれ、その間から、成仏を断ったあの霊獣化していたトメアスの先駆者達が、上半身裸のリーダーを先頭に現れた。《中嶋和尚! 我々を直ぐ成仏させ戦いに参加させて下さい。霊獣化した我々は一人で成仏出来ないのだ。助けてくれ、お願いだ》 考えた中嶋和尚が、「そ ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(164)

《(お前は俺で、俺はお前だ)》ジョージはアレマンの身体に飛び移った。 アレマンはそれと同時に転び、打った頭を摩りながら起き上がった。大きなアレマンの身体に慣れないジョージは滑稽な動きになった。『サイズが合わない身体にジョージさんが困っています。小川羅衆、仮の身体に加わって ジョージさんを助けて下さい』《お安いごようです。ジョージ ...

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食の情報誌『♯HASHITAG』

 日本食グルメ情報誌『♯HASHITAG』(JBC出版、ポ語)秋号が刊行された。 今回の内容は「レストラン『六本木』の融合料理」「ベジタリアン日本食店」「新しい日本食のアイデア」「魚とご飯で朝ごはん」など。日本食レシピや、レストラン情報なども。 日本食店や書店等で配布中。配布場所および内容は、サイト(madeinjapan.uo ...

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「のうそん」第263号

 「のうそん」第263号(2013年9月号)が発行された。 講演「ブラジルの日本文化の将来」(宮尾進)、随筆「思い出」(井口原道子)、「旅であった忘れえぬ人」(大岩和夫)、「未来の地球天体」(安部義光)、俳句「のうそん俳壇」(樋口玄海児)、小説「小波の彼方」(松村まさゆき)、「白い奔流」(松尾祐至)ほか。 問い合わせは日伯農村文 ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(163)

《オォ~!》小川羅衆の様な悲鳴は出なかったが、觔斗雲の加速度に驚きの声を上げてジョージの霊魂を背負った村山羅衆はサンパウロに飛び去った。「霊性(スピリッチズム)の呪文の力も及ばず、森口の悪行は復活を始めました。ああっ! 気を失っている豊満な女に、森口が・・・、なんて淫らな行為なのでしょう・・・。うわぁ~、どうにかならないのか!  ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(162)

「密教の教えの中に、生きながら仏を目指す『即身成仏』(そくしんじょうぶつ)があります。だから密言(みつごん)で呪(まじ)い、座禅を組めば生き仏になれるかもしれません」「密言はマントラ、その漢訳は真言(しんごん)ですから真言宗ですね。とすれば密教の大御所の空海和尚すなわち弘法大師が編み出した技です。私達にその大業が出来るでしょうか ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(161)

「それで、場所を? 小川羅衆! 現場へ飛んでくれ」《あっしが?》「では早速、『運任雲』に乗ってもらいます」《それだけはかんべんしてくれ~》「如何してですか?」《あれは事故ばかり起こして危険な雲だ!》「羅衆の弱腰には困りましたね。中嶋さん、どうしますか?」「別の雲『觔斗雲』(きんとうん)を用意しましょう。どうでしょうか黒澤さん」  ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(160)

《(フルカワ、こんな所で何を?)》『(悪者をなんとか自首させようと皆で拝んでいるところだ)』《(その東洋の魔術師達が?)》『(魔術師ではなく仏教の牧師だ。だが、彼等だけでは力が足らず困っているところだ)』《(おれも、応援させてくれ)》『(犯罪者の魂はダメだ。清い心の魂じゃないといけないそうだ)』「彼にもお祈りに参加してもらえませ ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(159)

 更に一時間後、祭壇の蓮の上に天眼通の術を介した千里眼像が再び現れた。場面は日本料理店の座敷で、男が空になった酒ビンを女に見せ、女は頷きながら引き下がった。三分ほどして、女が酒ビンを持って現れた。男は襖を閉め、左手で女の手を取り、女の身体を後ろ向きに引き寄せ、素早く右腕で女の首を締めると同時に手の平で口を塞いだ。一瞬の出来事で女 ...

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