ニッケイ新聞 2014年1月17日 「野田さんは、日本国策として設立されたアマゾニア産業研究所の幹部社員だったので、戦中、超敵性外国人として捕らわれ、当時、陸の孤島と云われたこのトメアスに留置されました。他の人達は軟禁だったのですが、彼は日系人代表として監獄に入られ、本人は『禁止されていた日本語でくしゃみしてしまった』と笑い飛ば ...
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(79)
ニッケイ新聞 2014年1月16日 「西谷さん、この方達、大正生まれの古根性の叔父に会ったみたいです」 「特にアマゾンへの移住者がなくなり、この方達は、何十年も、新しい日本人と接する事がなく現代社会から取り残されてしまったのですよ。だから近代化されなかったのでしょう」 宴会は、婦人会がさし入れた夕食で、夜まで続いた。 痩せて、背 ...
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ニッケイ新聞 2014年1月15日 椰子樹12月号(359号)が刊行された。 「わが愛する歌人 (11)伊藤左千夫」(扇畑忠雄)、「ブラジル歌壇を支えた人々 (17)武本由夫」(小野寺郁子)、題詠「二十歳・はたち 多田邦治選」ほか。
続きを読む »連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(78)
ニッケイ新聞 2014年1月15日 「その様な段階を踏んだからこそ、このアグロフォレストリー農法に辿りついたのですよ。日本メーカーも無農薬に興味を抱き、明治製菓がカカオ豆の発酵技術の指導に来て、原料の品質向上と確保にのりだしました」 「お悩みの狂い咲きをコントロールする鍵を教えましょう」 「ええっ! あるのですか?」 「意外と簡 ...
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ニッケイ新聞 2014年1月14日 真黒く日焼けした男がビール瓶を持って来た。 「御酌させて下さい。今日は有難うございました。近辺の方が集まり慰霊祭が行われ、その後、こんな盛大な宴会で・・・、こんなに楽しんだのは日本を離れて初めてです」西谷が持ち上げたコップと、真似して持ち上げたほとんど手付かずで泡の分だけ下がった中嶋和尚のコッ ...
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ニッケイ新聞 2014年1月10日 「このツマミは何処に置けばいいんだ」 「それは、あっちだ」 「こっちだ!」 各自がツマミ一品を持参した。誰かが大事に隠し持っていたスルメ五枚と『北海道産』と書かれた昆布を提供すると、珍しさで皆の注目を引いた。 祭壇は解体され、一時間足らずで宴会場に作り変えられた。 午後一時、宴会の準備が完了し ...
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ニッケイ新聞 2014年1月9日 「それと時を同じくして『日蓮』が『天台宗』の一つの経典である『法華経』の中で、晩年のお釈迦さまが『ここに説く教えこそ、最も大切である』と述べておられるのに注目して、これ以外は不要ではないかと説く『日蓮宗』を開き、『法華経』の『妙法蓮華経』に帰依する意の『南無妙法蓮華経』七字に簡素かした題目を唱え ...
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ニッケイ新聞 2014年1月8日 第十章 天尊(あまぞん) 少し経って、元気を取り戻した中嶋和尚は新聞紙大の紙に文字を書き、それを掲げて、 「法名は先駆者お一人お一人に授けるのが常ですが、今回、先駆者達の団結の強さを鑑み、法名を『天尊先宝(あまぞんせんぽう)拓団坊院(たくだんぼういん)』としました」 あの演歌好きの若い二世が手を ...
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ニッケイ新聞 2014年1月7日 「この方達を成仏させる事が出来るのは、ここにお集まりのあなた方だと思います。私は皆様の願いをお助けしただけです。それに、今頃になって、私はのこのこ出てきた坊主と思われています。残念ですが、そう思われても仕方ありません。僧侶も先駆者と一緒に密林に入植して苦楽を共にしなくてはならなかったのです。私に ...
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ニッケイ新聞 2014年1月4日 中嶋和尚は祭壇に集まった先駆者達にもう一度お辞儀をすると、 「ご焼香願います」と参列者に伝えた。西谷が率先して最初の焼香をした。彼の後に列が出来、焼香が続いた。 中嶋和尚はアマゾンの緑の大海に仏教の一滴を落とせたと思ったが・・・。 『南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経 ...
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