文芸
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(43)
ニッケイ新聞 2013年11月14日 「…『阿弥陀如来』さまの脇侍(きょうじ)の『勢至(せいし)菩薩』さま、究極の菩薩と云われる『観世音菩薩』さま、『釈迦如来』さまの脇侍として従い、薬草と薬壺(やっこ
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(44)
ニッケイ新聞 2013年11月15日 「言いたいとは?」 「私の家は江戸時代から続くお寺の・・・」 「じゃー、そのお寺の・・・」 「ですが、それに関し、勉強すればするほど迷いまして・・・。だから、今は
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(45)
ニッケイ新聞 2013年11月19日 窓側の中嶋和尚は、日本の援助を受け、荒野を切り開いて造られた丸や長方形の幾何学模様に区切られた大規模農場を眼下に、一時間ほど外を眺めていた。それが次第に単調な牧
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(46)
ニッケイ新聞 2013年11月20日 機内持込みのバックを肩にかけ、タラップを降り、強い陽をはね返し、地獄の釜の底を思わせる灼熱のコンクリートの上を歩き、管制塔を被った建物に逃げ込んだ。 十分後、
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(47)
ニッケイ新聞 2013年11月22日 「(ええ! そんなに彼は凄かったのですか!)」 「(拳銃扱いはサンパウロ一でした。練習は全くダメでしたが、如何した事か、実戦になると抜群でしたね)」 「(そのウエ
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(48)
ニッケイ新聞 2013年11月23日 「(この町に移動して直ぐ、私はホテル玄関の歩哨が四人とは無駄じゃないかと不審に思い、調べてみますと、玄関横のベンチを緑色に塗った時に『ペンキ注意のため歩哨を三人増
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刊行=「ブラジル文学知って」=日系文学会が初の翻訳集
ニッケイ新聞 2013年11月2日 ブラジル日系文学会(武本憲二会長)がこのほど、ブラジル文学の日本語翻訳作品を集めた『ブラジル文学翻訳選集 第一巻』(407頁)を発刊した。 同会が主宰する武本文
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(49)
ニッケイ新聞 2013年11月26日 迷彩色の軍服の二人の兵が乗ったジープが先行し、アナジャス軍曹運転の副司令官の車が続いた。半時間ほど舗装された道を快適に走った。 まだ暗い早朝で、一台の車にも出
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刊行『蜂鳥』
ニッケイ新聞 2013年11月14日 句集『蜂鳥』315号が刊行された。 「蜂鳥集」より3句「春風にさそはれ歩く一万歩」(森川玲子)「足裏をくすぐる芝生青き踏む」(須賀吐句志)「買はねどもアルカシ
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(50)
ニッケイ新聞 2013年11月27日 「(そうでしたか。実は、我々もマラリアにかかり、体が衰弱し、食事はおろか水も口に出来ない状態になり、最後に脱水症状になってしまい、私はなんとか助かりましたが、多く