ワイは鳴尾小学校では、巨人のキャッチャーで3番打者の藤尾やらホームラン王にもなった阪急の中田と同じチームにいて、今津中学でファーストミットを盗まれて水泳に転向するまでは野球選手やった。 手始めにサービス会社と試合をしたが剛球投手に抑えられ、ぼろ負けした。 おやじには「ボールとバットの間が1メートルも空いとる」と、ぼろ糞にや ...
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繁田一家の残党=ハナブサ アキラ=(16)
旅館の薄暗い部屋で、その二人がなんとなく、もの苦しく座ってた。 この二人、北海道の混浴温泉で出来てしまったらしい。 おやじに言わせれば「長いこと外国に住んでて、生まれたことも知らん日本の姪やったら俺でもやるぜ」と、意にも介さなかった。 ところが日本が30年ぶりの川西さんの妹、即ち実の兄に操を奪われた娘の母親である矢野さん ...
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霧島の太目のママさんを、山下さんは「とんげん」つまり豚カツの原料と呼んでいたが、気風のいい女傑で、おやじを尊敬してた。 このママとは、どこまで、できてたかは知らんが、寿司屋のママとはだいぶやったらしく、立たなくなってひねりで入れてくれとチ××をひねっておいて手放すと反動でオ××に入る(ねじ回しの原理)、それでも駄目ならボ×を ...
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この日からは、二人で楽しむのが日毎に待ち遠しくなり、毎晩お互い何回も昇天し竜宮をさまよった。 それからほどなく、ある日のこと「旅費清算のお金で夏蒲団を買いました。あなたが暑苦しい布団で寝ておられるので、お金がお酒に化けるよりと思って・・。後で押入れに夏蒲団が見つかりました。無駄使いをしてごめんなさい」の置手紙。まるで夫婦気取 ...
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広島までの3時間ばかり、おやじから習ったとおり、念入りに愛撫しつくしたら、車がエンストしたような動きがあり、彼女のからだが硬直したが、さすがに声はひそめていた。 宇野から高松までの宇高連絡船では、彼女は最高に上機嫌で人生最高の旅と言い、それでなくても明るくて愛嬌の良い島ちゃん、大はしゃぎやった。 後で知ったのだが、彼女はワ ...
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おやじは福岡勤務によりその安藤氏と再会、馬賊芸者との間に生まれた安藤氏の一人娘で短大を卒業したばかりの和枝さんを採用した。ニコニコしながら長身ではたちぐらいの女性が会社に現れ、新入社員の仁科が応対に出た。 彼女は、仁科がバーの女が集金に来たと思って経理課長に取り次いだほど垢抜けした美人だった。 ジェットの鷹は目ざとく、彼女 ...
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ところが、これが裏目に出て、長男の達頼は良家の娘を娶り義兄の世話で半導体関連の工場経営を任されたが、会社をつぶし離縁され、次男の幸二は中州のバーの女と駆け落ち、3男の紘和に至っては事もあろうに、叔父の中村暁氏の経営する大亜レントゲンの売上金を着服し勘当され、今では、知る人ぞ知る博多のアンダーワールドを取り仕切るやくざの親分にお ...
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社長はそれからも出張してきたが、ワイは国体出場で留守にしてた。課長連中からぼろ糞に怒られたけど、ワイが「社長なんか日本に何万人も居る。そやけど日本に一人しか居ない皇太子の臨席される国体出場の栄誉を得ながら、欠場するのは不敬である」と怒鳴り返したら、おそまつ課長三人組は、あきれてものも言えなくなりよった。 その前にも、別府に原 ...
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動機は極めて単純明快。先生が九大の医局に入局した年、忘年会の酒集めに業者回りした際、当時の東芝支店長の松原精太郎が、「先生どこな? 別府! 俺も大分県出身、姫島の漁師の倅たい。酒3本と云わずに10本でも20本でも持って行きんしゃい」。 先生この時から既に、これから勤務する病院ではすべて東芝のレントゲンを使うことを心に決めてい ...
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東芝がレントゲンを売るにも、おやじの口利きがないと、どこの病院にも出入りできないことが判った小宮虎之助は、毎回手数料をおやじに払うのが惜しくなり、おやじをスカウト、それが初代高松営業所長・おやじの第一次繁田一家誕生の始まりや。 「俺は、サラリーマンになって、初めて月給というものを貰ろた」とおやじが述懐した。外語を出てサイゴンで ...
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