文芸
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『朝陰』490号が刊行
俳誌『朝陰』490号が8月に刊行された。《道問へばマスクを外して答へくれ》(笹谷蘭峯)は、今どきの街中の風情をこっけいに歌ったもの。《家族のみマスクをかけてサンジョン祭》(有田キヨメ)からは、日系人
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中島宏著『クリスト・レイ』第38話
「まあ、それだけ徳川幕府のあせりと、西洋から来たキリスト教という宗教に対する脅威は、普通ではなかったということね。 ただ、一方で、そこまで根深く広がってしまったキリスト教を、そんなに易々と絶やすわけ
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中島宏著『クリスト・レイ』第37話
「そのポルトガルの日本での勢力が弱くなったことと、キリスト教への弾圧が始まっていったこととは、どこでどう結びついているのですか。簡単に考えると、そこにはあまり直接的な関係はないようにも見えるけど」 「
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中島宏著『クリスト・レイ』第36話
「あら、そういうふうに言ってもらうと、私も嬉しくなるわ。じゃあね、マルコスにもできるだけ分かるように説明していくわね。でも、分からないところがあったら遠慮しないで質問してもらって結構よ。私だって歴史の
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中島宏著『クリスト・レイ』第35話
「この前も話したと思うけど、イエズス会の重要なメンバーでもあったフランシスコ・ザビエルが、宣教師として初めて日本を訪れて布教を始めたのが十六世紀半ば辺りだったけど、彼だけでなく、その後ポルトガルから何
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中島宏著『クリスト・レイ』第34話
そういうマルコスに対してアヤが好意を持ったのは、彼女自身にも性格的にそのような傾向を持っているという点に繋がっているようでもあった。要するに、二人の間には共通する波長を感じ取ることができたということ
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中島宏著『クリスト・レイ』第33話
たしかに、最初はこの教会の異様さに驚いて、それを調べてみようという動機があったのだが、それがいつの間にかアヤを通じた形のものに変わって行き、やがて、その背景の探求も、知らぬ間にアヤを中心とするものに
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中島宏著『クリスト・レイ』第32話
都会に出て、別の可能性を試してみるというのも大きな魅力ですが、どうも今まで考えてみたところでは、僕にとってはやはり、牧場経営に入っていった方が向いているのではないかということですね。父がやってきたこ
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中島宏著『クリスト・レイ』第31話
自分を叱咤するように、頭の中で別のマルコスが声を励ます。 (そうだ、今はそんな不謹慎なことを考えている場合ではないんだ。純粋に教会のことだけを話していればいいんだ) ふっと、我に返るようにして、マ
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中島宏著『クリスト・レイ』第30話
澄んだ空気の中を歩きながら、二人ともが、かなり高揚した気分を味わっている。 話は、クリスト・レイ教会にまつわるものだから、当然、宗教の問題になっていくけれど、そのことがマルコスにとっては新鮮なもの