文芸
-
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(162)
取り調べ責任者のカルドーゾ署長の報告書のなかに訴訟の方法について、ある手段を提案したところがある。訴訟は内容によって二組に分ける。一組はテロリストとして国外追放にするグループ。もう一組は国の治安にか
-
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(161)
「全ての団体は日本の勝利を誇りとしていた。ほとんど無教養な者たちの日本人社会に勝利の情報が受け入れられるのは当然だった。 これら団体の広報は奥地へ向けた大量の謄写版印刷、あるいはカーボン紙使用の手
-
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(160)
上司や世論の関心を得る最上の機会であり、警察組織のキャリアの道を駆け上ろうと、DOPSの秘密警察署長であり、臣道聯盟の調査の任務を受けたカルドーゾ署長は精力的に働いた。 4月にDOPSの州第5警察
-
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(159)
臣道聯盟の幹部だった渡真利成一は必要があれば、負け組をつぶすようにと聯盟支部に内密に指示していた。「行動者の手引き」と題した本人制作のパンフレットには次のように記載されている。 「その機会が来たと
-
ブラジルNAK=創立10周年で書籍出版=『歴史を見つめて、110周年』
ブラジル日本アマチュア歌謡連盟(Institudo NAK do Brasil=INB/北川ジューリア好美会長)は、昨年の日本移民110周年を記念した書籍の出版とINB創立10周年を祝う式典を23日
-
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(158)
1946年4月23日のその日、つづけて津波元一、三保來槌、藤本坂末が尋問を受けた。彼らの供述は正輝とおなじようなものだった。臣道聯盟の会員で毎月献金していた。(津波だけが多く5クルゼイロ払っていた)
-
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(157)
その日、サンパウロ州法医学課のジョゼー・リベイロ課長の指名により、アメーリコ・マルコンデースとジュベナル・ハドソン・フェレイラの二人の法医学士が長野すけおの死体を検診した。二人は午後3時に死体解剖を
-
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(156)
今はどうか? 何もしなくていい時間がいくらでもある。今までこんな機会は一度だってなかった。だが、今は違う。「牢につながれる」という表現どおり、牢屋に入れられ、いろいろな規則や要求に縛られている。外の
-
臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(155)
湯田幾江といっしょに検挙された高林明雄もカルドーゾ署長に同じ日に調れらべられた。36歳で、父は高林信太郎、母はヌイ、臣道聯盟のアララクァーラ支部では一番の知識人だった。ただ一人、高等学校を出ていて、
-
白旗諒子さん『お日さま』刊行=農業に励む花嫁移民の生きざま
イビウナ市在住の白旗諒子さん(76、長野県出身)が、今までに新聞などに寄稿した文章を抜粋して『お日さま』として日毎叢書企画出版からこの度刊行した。 白旗さんは、1943年7月に長野県に生れ、屋代南