文芸

  • どこから来たの=大門千夏=(69)

    「あーー夢に見たボンベイ!」と叫ぶとゲッチイは、「新婚旅行にボンベイに行ったのよあの二人…しかしすぐに破たんする。幸せとお金は関係ないわ」 「うう…んん。でもねェ幸せって言うのはやっぱり、お金があるっ

  • 『日本文化7~明治という時代~』

    明治維新を世界史から読み解く=『日本文化』7巻、販売開始=龍馬の生涯、ポ語で初詳述

     サンパウロ青年図書館とニッケイ新聞は21日、『日本文化7~明治という時代~』を刊行した。今年は明治元年(1868)から150年目の節目の年。同書では人気メルマガ『国際派日本人養成講座』の著者である伊

  • どこから来たの=大門千夏=(68)

     夕方パラチの別荘に着いた。外から見るとごく平凡な背の高いコンクリート塀があって、その真中に大きなペンキのまだらにはげおちた厚手の木製の二枚扉がある。青みがかったネズミ色の扉。しかしこのまだら加減がパ

  • どこから来たの=大門千夏=(67)

    「何を言ってるのよ。そんなこと言っても前世のカルマもあるからね。そう簡単にはゆかない」と友人は恐ろしいことを言うが、今の私にとっては医療保険に入っていないのだから、頼りになるのはこのイシュタル様だけな

  • どこから来たの=大門千夏=(66)

     しかし不思議とこの高さ二八㎝の泥人形は、どこに置いても見劣りがしないのだ。どんな物のそばにおいてもしっかり自己主張している。  おかしなもので物というものには「位」があって、いい加減なものは本物のそ

  • どこから来たの=大門千夏=(65)

     しかし、本当はなくてよかった。あったら今頃はどこに隠そうか、どこに並べようか、私が死んだら誰に残そうか、と頭を痛めるに違いない―――と虚勢を張ってはいるが、本当は愚痴半分、くやしさ半分から抜けきれな

  • どこから来たの=大門千夏=(64)

     欲張り男! ケチ! ブオトコ! いじわる!…自分の財力のなさは棚に上げ、ありとあらゆる雑言を並べ、はけ口とする。悔しくて、腹が立って、何時までも物欲ならず首飾慾にとらわれて頭から離れない。いろいろな

  • どこから来たの=大門千夏=(63)

     この気の遠くなるような仕事をしていた人が、一〇〇〇年前に生きていたと思うと私の心臓はどきどきする。今の私と同じように喜び、悲しみ、驚き、希望、絶望…色々な感情を持って生きていたのだ。標高三五〇〇m~

  • 来社した田畑さん

    イタペセリカ日本語学校=80周年記念誌「心豊かに」

     2015年に創立80周年を迎えたイタペセリカ・ダ・セーラ日本語学校(牧山純子校長)。このたび記念誌『心豊かに』が発刊された。同校の歴史や卒業生、在校生の言葉などが掲載されている。日ポ両語。  サンパ

  • どこから来たの=大門千夏=(62)

    「結婚相手よ。これから食事に行くの、今から出かけるけどごめんね…あの人ね、オ・オ・ガ・ネ・モ・チ」と言っていたずらそうにウインクした。  ハンドバックから口紅を取り出すと、売り物の鏡の前でもう一度化粧

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