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文芸

わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(25)

 沖縄の現実を凝視した場合、今日経済的、精神的な面においては、更生への一途を辿りつつあるとはいうものの青年をして、建設的な意欲をみたしうる施策が講じられていないことは、はなはだ残念であり、この運動こそ青年に希望を与え、明日の沖縄を建設していくための新しい青年運動として期待し、本土派遣とあわせて沖縄自体により建設隊を組織し、青年隊 ...

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わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(24)

 従って学校の運動会、村体育協会の陸上競技大会・綱引き・村芝居に至るまで青年会が活動せざるを得なくなり教職員会の行事以上に多忙となった。糸満地区には東風平村、兼城村、高嶺村、糸満町に三和村の1町4村の町村が一地区を形成している。その地区青年会が毎年11月初旬には地区体協と共催して陸上競技大会を開催した。おそらく県内各地区もそうで ...

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ピンドラーマ=7月号

 コジロー出版社のブラジル情報誌『ピンドラーマ』7月号が発刊された。「各国移民レポート」では母親がポルトガル・アソレス諸島から移住した女性にインタビュー。50年代、貧しかったポルトガルと移民の関係を解き明かす。好評連載中の「白洲太郎のカメロー万歳」、「ブラジル面白ニュース」、「クラッキ列伝」ほか恒例のグルメ、イベント、求人情報を ...

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わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(23)

 その時20歳の年齢に達していた私は、農業を1年生から学ぶことになった。学歴社会の日本ではこれ以外の選択肢がないことを大先輩から教えられての人生処方であった。  在学中4~5歳も年上ということで同級生から兄貴分視され、畜産主任の先生からは家畜の飼育係りに任じられ、時折授業中に質問を投げかけられたり、生徒会の会長に推されたりする存 ...

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わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(22)

 そこで姉が母の頭の血をふくために壕内にタオルを取りに行ったら、末子の光男(当時赤子)が泣いていたので連れだしてきたと云う。そのまま壕入口に銃をかまえて待つアメリカ兵たちに捕えられ、軍用車まで2キロ以上歩いたと云う。この自然洞窟壕には22家族67人が避難していたが、ほとんどが集団自決で命を絶った。  その他に米須地域には少なくと ...

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わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(21)

 米須部落の中心地(元摩文仁村役場のあった地点)も全く打ち変って、部落の配給所となっていた。区民は食糧の配給を受けるため多数の人々が集っていた。そこへトラックから私は下り立った。その人込みの中に母と姉がいた。咄嗟に「いさむ」と抱きしめられた。玉砕したはずの母と姉がこんなに元気で生き延びていたのだ。本土避難から帰還する人々が増えた ...

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わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(20)

 ところで私は、故郷の家族は全滅して誰一人として頼れる人がいなければ帰っても仕方がない、とばかりに考えていた。3年前に勤労奉仕で1ヶ月馴染んだ北海道は土地も広く今後日本の農業にとって最も適した土地であろう。だからそこを訪ねてみよう、と北海道行きを心に決め、その手だてを考えながら佐世保収容所で待機していた。収容所では、毎日自由に食 ...

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わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(19)

 そこで多久島さんは大連へ戻ることになり、私だけミーリアン部隊長の家で夫人のお手伝いを約6ヶ月間働かされた。彼は女の子1人の3人家族 だった。主食の黒パンやコロッケの作り方もその時に教えられ、早朝から家族になり切って、その家族のために働いたものであった。  こうして敗戦による避難生活も早や2回目の秋を迎えた。部隊解散で行く手を失 ...

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わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(18)

 前日移動準備をしていた馬を利用して、夕暮れに全部隊は営門を出発した。一行河可子向け鉄道沿線にそって乗馬行軍歩行していたその時、後方から汽車が走ってきた。わが部隊およそ200名以上だったと思うが、その隊列に近づくとロシア軍の兵団から一斉に機銃掃射を受けた。脅し射撃だったのか。幸い死傷者は1人もなく無事だった。  夜半、河可子海岸 ...

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わが移民人生=おしどり米寿を迎えて=山城 勇=(17)

 6月末沖縄戦敗北が伝わった。従って古里沖縄は軍民全滅の予感が頭をよぎった。先年グァムやサイパン等南洋諸島の玉砕同様古里沖縄も激戦の果てに県民まで玉砕とはなんたることか、真の神国日本の威力とは一帯何時発揮するのか疑わしいやら悲しいやら信じ難い。佐藤軍曹もその後話はなく情報はとぎれたままで父母家族はどうなることやら、なんとか生き延 ...

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