どこから来たの=大門千夏

  • どこから来たの=大門千夏=(102)

     一九六三年、神戸港を出発しました。(あれから五〇数年経った今頃になって、両親には大変な心配をかけた、親不孝したと気がついて申し訳ない思いをしています。)西回りの船を選び、あちこち寄港のたびに観光して

  • どこから来たの=大門千夏=(101)

     夫の好きな野の花…カタバミが、コップの中で小さく震えていた。  曲は静まり返った巨大な遺跡中に響き渡り、隅々にまで緩やかに流れ、そして灰色の雲を突き抜け青い空に向かって、宇宙に向かって何時までも消え

  • どこから来たの=大門千夏=(100)

     何年たっても同じ状態が続いた。子供達が、「うちの母はね、音楽が鳴りだすと血相を変えて怒るの、本気で怒るのよ、あんな人見た事ない」と話している。かといって日々の生活に別段困る事もなく、以前と同じように

  • どこから来たの=大門千夏=(99)

     夜、山田さんに食事をごちそうになる。彼もこの国に遊びにきて女性に捕まった一人である。どうしてこんなに簡単に沈没してしまうのだろうか? フィリピンに観光に来て帰る日、土産物屋をのぞいたらかわいい娘がい

  • どこから来たの=大門千夏=(98)

     彼は日本の大手の建築会社に務めていた事、ほとんど世界をまたにかけての仕事で外国生活の方が長かった事。「定年間際、アフリカで駐在員をしていた時、家内が急死しまして私一人になってしまいました。日本は住み

  • どこから来たの=大門千夏=(97)

     午後から博物館に行ったがここにも何もない。こんなに文明文化のない国を見たのは初めてだ。  しかし、考えてみると一六世紀から三三〇年間スペインの植民地になり、其のあと五〇年間アメリカの植民地になった。

  • どこから来たの=大門千夏=(96)

     我ながら情けないとは思うけど、ウラシマ太郎は故郷が恋しくなってきたが、私は孤独が恋しくなってきた。  一人になりたい。一人で静かに食事をしたい。これ以上、大勢と一緒にいたくない。そのためにはこのクス

  • どこから来たの=大門千夏=(95)

     四人で一〇分くらい歩くと大きなレストランに着いた。中はもうお客でいっぱい。よっぽど安くておいしい店にちがいない。  任せるからというと、三人でキャッキャッと騒ぎながら注文して、四人分がたくさんの大皿

  • どこから来たの=大門千夏=(94)

     「横に座っていいかしら」突然、片手に本を持った女学生が声をかけてきた。  ベンチの端に肩から荷物を下ろすと腰かけて、教科書をとりだして読み始めた。化粧気はなく黒い髪をまっすぐ長くのばし、日本人に良く

  • どこから来たの=大門千夏=(93)

     アステカのカレンダー・ストーン。本物を是非見たいものだ。私の心にこの思いがデンと居座ってしまった。  アステカの前に興隆したマヤ文明は、メキシコのユカタン半島を中心に栄えた。彼らは天体鏡も、望遠鏡も

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