どこから来たの=大門千夏
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どこから来たの=大門千夏=(52)
それは直径、三?四mくらいの山のような茶色い塊が時計と反対方向にゆっくりと回っている。丁度チベット人が持っているマニ車みたいな形である。近づいてゆっくりよく見ると、生きた蛇が絡まりあって、大きいの小
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どこから来たの=大門千夏=(51)
エジプトのツタンカーメン王の王冠にはちゃんと蛇がついている。蛇はある種の「力」、神通力を持っているから、これをつけることで王としての威厳を高めていたわけで、いずれにしても太古の昔から「蛇さまさま」な
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どこから来たの=大門千夏=(51)
エジプトのツタンカーメン王の王冠にはちゃんと蛇がついている。蛇はある種の「力」、神通力を持っているから、これをつけることで王としての威厳を高めていたわけで、いずれにしても太古の昔から「蛇さまさま」な
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どこから来たの=大門千夏=(49)
しかし母はめげず私を教育するつもりだったらしい。小学三年生の頃「女の子は漬物桶のぬかを混ぜる位の事はしなくてはいけない」と言って、私に毎日一回手で混ぜることを命令した。 台所の隅に置いてある陶器の
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どこから来たの=大門千夏=(48)
でもあれから四〇年経った。 あきらめもついたので、ある時この事を娘に話したら、言下に、「行かなくって良かったじゃあないの!」と、言うではないか。 「ええっ。どうして 」行きたかったわーというにき
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どこから来たの=大門千夏=(47)
アメリカ移住 一九七三年の第一次オイルショック以来,ブラジルでは経済の低迷が続いた。国民の貧困化がすす み「未来の国」の生活はいっこうに良くならない。それどころか生活はますます厳しくなって行った。
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どこから来たの=大門千夏=(45)
私のように背丈の小さいものですら、城のドアを通る時は、ちょっと頭を下げるようにして通る。せせこましい。 この時、あれれれ? この感触なんだか知っている。頭を少しかがめて通り過ぎる。しばらく歩くと、
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どこから来たの=大門千夏=(45)
私のように背丈の小さいものですら、城のドアを通る時は、ちょっと頭を下げるようにして通る。せせこましい。 この時、あれれれ? この感触なんだか知っている。頭を少しかがめて通り過ぎる。しばらく歩くと、
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どこから来たの=大門千夏=(44)
夢の話 小さいときから朝起きると、まず母に夢物語を話す。 空を飛んだり海の中を歩いたり、知らない国に行ったり…と、ぜひとも聞いてほしい辻褄の合わない夢の話を真剣に話すのだ。 母はふんふんと手を動
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どこから来たの=大門千夏=(43)
「お母さんは何しているの?」 彼はなぜか一瞬ひるんだような表情をして、それから「ファッシネーラ(家政婦)」と小さな声でつぶやいた。 「じゃあ、お父さんは?」 「知らない、いないよ」つっけんどんに答えた