臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(190)
家でポルトガル語を話すということは、長年、上の息子二人のために家まで日本語を教えに来てくれた臣道聯盟の仲間、高橋先生を断らなくてはならない。旧友にそれを知らせるのが辛かった。言い出すには断るための口
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(189)
両親にそのことを朝市で会ったとき、話したほうがいいと思っていた。その機会がきて、「お宅の息子さんの成績はとてもいいのですが、ポルトガル語を少し直したほうがいいと思います。町での生活になれるのに障害と
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(188)
市場業者は貧しく、学歴も低いのに対して、お客さんは何でも買える立場にある。農民は都会人より恵まれない状況におかれている。ファニー先生はあの市場のマサユキに気づいたのに、ごくあたりまえにふるまい、優し
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(187)
マッシャードス区の正輝の家に集まるのはメーガーじいさん、子どもたちからぜんぷおじさんと呼ばれている平良ぜんぷ、国吉しんかん、サンパウロ大通りにマカロニ工場を持つ照屋、パステイス屋の大工廻(だくざく)
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(186)
また、正輝の家にメーガーじいさん、津波元一もよくやってきた。 サンパウロの留置所でともに過ごして以来、交流がますます盛んになった。メーガーじいさんは、今は家族的にも経済的にも恵まれた境遇にあった。
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(184)
父は薩摩藩が二世紀半以上も、本心を隠ぺいして沖縄を支配してきたことを、ずっといい聞かせてきた。 ところが皮肉なことに、この国粋主義の男はアメリカが制作するある作品に計り知れない興味をもっていた。軍
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(1)
移民は新潟県からきても広島県からきても、県が違うだけで、日本本土からきた移民といわれる。また、歴史的、地理的に条件のいい移民もいた。たとえば鹿児島県からきた移民は絆がつよかったし、徳川時代には中央政
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(181)
6月14日、午後1時に初めの3人の尋問を始め、その日以降は土、日を除く毎日同時間に起訴書にある名前順に、被告人が3人ずつ尋問を受けるはずだった。大変合理的なやり方といえる。カヴァリァル判事によれば、
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(180)
その起訴状によると正輝を含む390人の被告についてこのように提示している。 「サンパウロ在住の日本臣民は世界大戦でブラジルを含む連合軍に敗れたにもかかわらず、自国の敗戦を受け入れることができず、臣
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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(179)
カルドーゾ・メーロ署長の報告書によると、8月22日、マセード・ソアーレス・サンパウロ臨時行政官に当てられた公文書には「ドゥトラ大統領は8月10日『望ましくない日本人を国外追放した』」という大統領令に