連載小説
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=40
何事に対しても忍耐を第一とし、同じ日本人として相争うことなく、国体を信じ、皇室を尊び、「敗戦認識派」を無視し日本の勝利を信じ、結束を固める。思想の善導を第一義とする従来の研究会はもっと飛躍すべきだと
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=39
その話が伝わり始めた頃、マリリア、オズヴァルド・クルス、トゥッパン、バストス方面で養蚕小家の焼打ちの噂が、口から口へと広がり、真偽の程はわからないが、次から次へと伝わる噂に人々は脅え、抑えることはで
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=38
10時ごろから堪忍の緒も切れ、皆で鉄格子を叩いて大騒ぎを起こし、警察の不法に抗議するが、ただ「静かにしろ」と怒鳴り返されるばかり。そうした騒ぎの最中に、捕まえられずに残った者たちの機転によって差し向
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=37
一例として、認識派の者には営農資金を融資するが、そうでなければ長年の組合員であっても何とか理由をつけて融資を断るという、一種の踏み絵を強いるという悪辣極まる手段で認識派に引き込もうとしているという。
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=36
そんなある日、あわただしい蹄の音がコーヒー園に響いた。ただ事ではなさそうだ。「中野さん、中野さん!」と叫ぶ声と同時に、一人の青年が全身汗と埃にまみれ馬から飛び降りると、おやじに縋り、あまりの疲労に声
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=35
この2年間で5千本位だ。コーヒーの樹は3万8千本。この調子だとあと10年かかってしまう。百姓には生き甲斐だが、恐ろしく気の長い話だ。 考えてみると人間も同じだ。生まれてから成人になるまでに少なくとも
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=34
すると、上の方はなぜか青々としている。目の錯覚かと思い、下の方を見ると、やはり真っ黒で目も当てられないほどだ。その中で10本位は青々としている。 よくよく見まわすと、本当に被害に遭ったのは盆地になっ
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=33
明日は明日の風が吹く。耕主様となったので希望で胸が高鳴る。2~3日休んだらコーヒーの収穫を始めよう。 使用人任せには出来ない。バーラ・ボニータで見せた日本人の腕前を。3万8千本のコーヒーの樹を3年か
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=32
その時に、これまでの経緯をすべて打ち明け、銀行に預かっているお金も当てにならないのでこの土地とパストに居る牛を入金として、3年払いの所を4年払いにしていただくように交渉を進めていただきたいと切に願っ
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=31
ありがたい心尽くしだ。しかし、資金も無いので今年一年ぐらいは日雇で仕事をしてお金を貯める計画だった。それで余り乗り気ではなかった。 そんなある日、旧パトロンの三坂さんがいい話を持ち込んできた。ドゥア