何事に対しても忍耐を第一とし、同じ日本人として相争うことなく、国体を信じ、皇室を尊び、「敗戦認識派」を無視し日本の勝利を信じ、結束を固める。思想の善導を第一義とする従来の研究会はもっと飛躍すべきだとの説に従い、その具体的な説明には今後の大きな課題としてお互いに勉強し、日本人としての自覚のもと、今の自分を「これで良いのか」と見つ ...
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連載小説=子供移民の半生記=家族みんなで分かちあった=異郷の地での苦しみと喜び=中野文雄=39
その話が伝わり始めた頃、マリリア、オズヴァルド・クルス、トゥッパン、バストス方面で養蚕小家の焼打ちの噂が、口から口へと広がり、真偽の程はわからないが、次から次へと伝わる噂に人々は脅え、抑えることはできなかった。だが、ここドゥアルチーナでは、勝ち組は心を一つにして警戒に当たっている故か、今まで皆無事だった。 今後もそう続けてほし ...
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10時ごろから堪忍の緒も切れ、皆で鉄格子を叩いて大騒ぎを起こし、警察の不法に抗議するが、ただ「静かにしろ」と怒鳴り返されるばかり。そうした騒ぎの最中に、捕まえられずに残った者たちの機転によって差し向けられた弁護士が来た。警察側も不法には抗言出来ず、不当を認め、即出所命令を下し、一同安堵して帰って来た。すると大勢の人たちが詰め掛 ...
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一例として、認識派の者には営農資金を融資するが、そうでなければ長年の組合員であっても何とか理由をつけて融資を断るという、一種の踏み絵を強いるという悪辣極まる手段で認識派に引き込もうとしているという。 あるいは文教普及会に就職が決まっていたのにもかかわらず、認識派に反対していた為、何とか理由をつけられ、就職を断られたという類の事 ...
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そんなある日、あわただしい蹄の音がコーヒー園に響いた。ただ事ではなさそうだ。「中野さん、中野さん!」と叫ぶ声と同時に、一人の青年が全身汗と埃にまみれ馬から飛び降りると、おやじに縋り、あまりの疲労に声も出ず、しばらくゼイゼイと吐く息も苦しげだった。しばらくしてようやく一口の水をすするように飲み、大きい吐息をつくと涙を流しながら語 ...
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この2年間で5千本位だ。コーヒーの樹は3万8千本。この調子だとあと10年かかってしまう。百姓には生き甲斐だが、恐ろしく気の長い話だ。 考えてみると人間も同じだ。生まれてから成人になるまでに少なくとも18年はかかる。計算づくではなく、親の苦労を仰ぐことの少ない人間の育成に比べ、農業とは作物が確実に答えてくれるやりがいのある仕事だ ...
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すると、上の方はなぜか青々としている。目の錯覚かと思い、下の方を見ると、やはり真っ黒で目も当てられないほどだ。その中で10本位は青々としている。 よくよく見まわすと、本当に被害に遭ったのは盆地になっている風通しの悪い場所に植えられている4~5百本位で、あとは無傷で青々としていた。蕾はやられているだろうから実のつきが悪くなり、今 ...
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明日は明日の風が吹く。耕主様となったので希望で胸が高鳴る。2~3日休んだらコーヒーの収穫を始めよう。 使用人任せには出来ない。バーラ・ボニータで見せた日本人の腕前を。3万8千本のコーヒーの樹を3年かけて人工肥料で蘇らせるのは並大抵の事ではないが、兄妹が協力し合えば力は無限だ。幸いに物事に熱心な兄貴の采配に依ればマンゲイラには牛 ...
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その時に、これまでの経緯をすべて打ち明け、銀行に預かっているお金も当てにならないのでこの土地とパストに居る牛を入金として、3年払いの所を4年払いにしていただくように交渉を進めていただきたいと切に願った。 すると、「期待に副うべく、皆さんの事情を説明してみます。それが出来ぬ様だっただったら、こちらも飯の食い上げで、この商売をやめ ...
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ありがたい心尽くしだ。しかし、資金も無いので今年一年ぐらいは日雇で仕事をしてお金を貯める計画だった。それで余り乗り気ではなかった。 そんなある日、旧パトロンの三坂さんがいい話を持ち込んできた。ドゥアルチーナ管内から30キロ程離れた所の耕地が、老人一人の管理で充分に行き届かないから手放したいとの事。息子がいるが親に関心がないらし ...
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