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連載小説

連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(172)

 法要が終わった一時間後、境内の施設で、このお寺を紹介した西谷副会長の奥さんと娘さんが田口聖子を偲ぶ茶会を用意していた。「お茶をどうぞ。このお寺の裏庭で摘まれ、住職ご自慢のお茶です」 美味しいお茶の話題が一段落したところで中嶋和尚が、「皆様、今日は田口聖子さん、戒名『聖正堂阿弥陀尼院』さんの法要に集まっていただき有難うございまし ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(171)

「皆、日本訪問が叶う事で大喜びしています」それを聞いたジョージが、「また、JANの謎のオーバーブックが増える・・・」《貨物便を利用します》井手善一和尚からジョージに霊交があった。「村山羅衆と小川羅衆は中嶋和尚の助っ人としてこの世に残りたかったようですが、どこに消えたんだろう?」 古川記者が目を細めて、「あの二人は、中嶋さんにとっ ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(170)

「送電には必ずプラス・マイナスの二本の送電線が必要だそうで、その二本で行き帰りの閉回路と云うループ・サーキットを構成しなくてはならないそうだが、イタイプー発電所からサンパウロ大都市近郊まではたったの一本で送電されているんだ」「もう一本は?」「もう一本は地べた、つまり地球がもう一本の送電線として利用されているんだ」「危なくないのか ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(169)

第三十三章 理想 二日後、ロンドリーナ大学病院で緊急治療病床から一般病棟に移された中嶋和尚と黒澤和尚がブドウ糖の点滴を受けていた。そのベッドに腰掛けた古川記者が、「では、救われた世界の平和と和尚さん達の快復を祝って乾杯しましょう」病院内を尊重してジュースと小声で乾杯した。 ジョージが、「中嶋さんの症状は本当に危なかったんですよ。 ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(168)

 それをご確認された『大日如来』さま率いる豪華仏装集団と、勝利を確認して、夢幻像の過去のジャングルから戻った完全仏装の天王大集団は一つの観音様を残してローランジア条心寺別院(架空)から霊香と『ゴ、ゴ、ゴーーーン!』と風雲を残して消え去った。 豪華な仏装集団に腰を抜かしていた古川記者が自慢の高級腕時計を見て、「あっ、時間切れだ!  ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(167)

 『天眼通』の像に写る過去のジャングルの中にいるブラジル日系野戦羅衆団の先鋭隊の下にたくましくなったインディオ羅衆団が次々と現れると状況が一変、悪霊達は、武仏となったインディオ羅衆に追われ逃げまどった。悪霊に惑わされ。迷って中立を守る羅衆達はブラジル日系野戦羅衆達に説得され投降し始めた。しかし、それにも増して悪霊達も増えていた。 ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(166)

 古川記者が、「ジョージも一緒に呼び戻して羅衆に・・・」「ジョージさんは過去にはいなかった方ですのでこれ以上活躍出来ません」「役に立たないのであれば呼び戻しましょう」「村山羅衆や小川羅衆もついでに現在に呼び戻します」 古川記者が心配顔で、「中嶋さん、インディオ達は仏教に帰依しますか?」「ブラジリアの空港でたくましいインディオ達を ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(165)

「私の力不足です」 中嶋和尚は生き仏になろうと決心した、その時、精霊の群れが二つに分かれ、その間から、成仏を断ったあの霊獣化していたトメアスの先駆者達が、上半身裸のリーダーを先頭に現れた。《中嶋和尚! 我々を直ぐ成仏させ戦いに参加させて下さい。霊獣化した我々は一人で成仏出来ないのだ。助けてくれ、お願いだ》 考えた中嶋和尚が、「そ ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(164)

《(お前は俺で、俺はお前だ)》ジョージはアレマンの身体に飛び移った。 アレマンはそれと同時に転び、打った頭を摩りながら起き上がった。大きなアレマンの身体に慣れないジョージは滑稽な動きになった。『サイズが合わない身体にジョージさんが困っています。小川羅衆、仮の身体に加わって ジョージさんを助けて下さい』《お安いごようです。ジョージ ...

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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(163)

《オォ~!》小川羅衆の様な悲鳴は出なかったが、觔斗雲の加速度に驚きの声を上げてジョージの霊魂を背負った村山羅衆はサンパウロに飛び去った。「霊性(スピリッチズム)の呪文の力も及ばず、森口の悪行は復活を始めました。ああっ! 気を失っている豊満な女に、森口が・・・、なんて淫らな行為なのでしょう・・・。うわぁ~、どうにかならないのか!  ...

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