連載小説

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(30)

    ニッケイ新聞 2013年10月24日 「仏壇です。大仏堂で特別安くしてくれました。よろしいですか?」 ジョージは、今更、仏壇を外させる勇気はなかった。 「かまいません」そう言ったジョージが、 「中嶋さ

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(29)

    ニッケイ新聞 2013年10月23日  中嶋和尚は、この法要の謹行により、お『釈迦』さま直々の免状と不思議な力を授かった。 「中嶋和尚、ご苦労さまでした。お茶を用意しております。こちらヘどうぞ」西谷の

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(28)

    ニッケイ新聞 2013年10月22日  中嶋はジョージのアパートを出ると直ぐに方向が分からなくなった。数珠を左手に掛け、立ち止まり、目を瞑ると今まで経験した事がない自己暗示の幻覚が現れ、聴覚や嗅覚も驚

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(27)

    ニッケイ新聞 2013年10月19日  アパートに戻ると、中嶋は昨夜洗った法衣にアイロンをかけ、身に着けると数珠を手にした。 「中嶋さん、それは?」 「数珠です」 「カトリコ(カトリック教徒)も『ロザ

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(26)

    ニッケイ新聞 2013年10月18日 「そうなんですか」 「それで、これから中嶋さんをどうすればいいか・・・」 「残念でしたね。せっかくブラジルまで来られたのに・・・、それで、中嶋さんはいつ日本へ戻ら

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(25)

    ニッケイ新聞 2013年10月17日  宿利は驚いた顔で、 「伝道和尚はとっくに日本へ帰っておられますよ」又、ノートを確認しながら、「一九九〇年には日本で洞山寺(架空の寺)の住職になられて・・・」顔を

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(24)

    ニッケイ新聞 2013年10月16日  ひと摘みしたジョージが、 「この材料は?」 「冷蔵庫にありました」 「えっ、本当ですか。料理上手の女にふられてから、ずっと買って無いので」 「そうでしたか、だか

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(23)

    ニッケイ新聞 2013年10月15日  午前中に仕事を終わらせ、後を頼りのカヨ子さんに任せ、ジョージは余りにも無責任と云うか、無謀な中嶋に怒りをおぼえアパートに戻った。 「朝のコーヒーまで用意していた

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(22)

    ニッケイ新聞 2013年10月12日  ジョージが事務所に着くと、彼宛の伝言があった。 『(ローランジアのイシズカさんとれんらくがとれました。TEL:三七五四、六○六一のニシタニにレンラクしてください

  • 連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(21)

    ニッケイ新聞 2013年10月11日  中嶋は開かれたドアの中に早朝の薄明かりに白く輝く『色白にして法衣を付けずして天衣をまとい十五のむすめの如く』と『大吉祥天女念誦(ねんじゅ)法』に記される『吉祥天

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