連載小説
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(6)
ニッケイ新聞 2013年9月19日 「仏さまがお誓いをなされるのですね?」 「はい、自分の役割を宣言されるようなもので、ほとんどの仏様が『誓願』をお立てです。すべての『菩薩』さまに共通する誓い
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連載小説=日本の水が飲みたい=広橋勝造=(7)
ニッケイ新聞 2013年9月20日 ジョージは職業柄、観光案内も入れて、 「東洋街に日本語で対応出来るホテルがあります。地下鉄にも近く、正面に居酒屋『かぶき』と『ブエノ』、隣は韓国レストラン、その横
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連載小説=移り住みし者たち=麻野 涼=第139回
ニッケイ新聞 2013年8月16日 パウリスタ通りを過ぎるとレボーサス通りに入る。何度も通っている道だが、平然と割り込みを行うドライバーが多く、前方に注意していないと、サンパウロでは事故を起こしてし
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連載小説=移り住みし者たち=麻野 涼=第140回
ニッケイ新聞 2013年8月17日 しかし、小宮には試着した二十着近いドレスの違いなどまったく記憶にはなかった。それでもドレスについて話し続ける叫子の表情は幸福感に満ちていた。 日曜日の夜、パウロ
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連載小説=移り住みし者たち=麻野 涼=第141回
ニッケイ新聞 2013年8月20日 「新婦の親戚は直接教会に行っているのかい。どちらの出身なんだい」 「私も彼女も家族はブラジルにいません」 小宮の返事には竹沢は訝る表情をした。 すぐに叫子が自分
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連載小説=移り住みし者たち=麻野 涼=第142回
ニッケイ新聞 2013年8月21日 叫子がブーケを力いっぱい後方に投げると、奪い合う女性の甲高い声が響いた。ブーケを手にしたのは、整備士見習いの恋人で、割と小柄な女性だった。 結婚式はすべ
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連載小説=移り住みし者たち=麻野 涼=第143回
ニッケイ新聞 2013年8月22日 歓声と会話でざわついていたバールだが、フェスタをしているテーブルだけが静まりかえった。 「日本では私のような黒い肌をしたミスチッサは差別され、それどころか
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連載小説=移り住みし者たち=麻野 涼=第128回
ニッケイ新聞 2013年8月1日 その日も南米銀行関係者の話を聞き、パウリスタ新聞に戻り、藤沢工場長の連絡を待っていた。 「話がある」 中田編集長が顎でしゃくるようにして、児玉を会議室に読んだ。編
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連載小説=移り住みし者たち=麻野 涼=第144回
ニッケイ新聞 2013年8月23日 部屋は日本の病室に比べるとはるかに広かったが、小宮は部屋に入れず、三階のエレベーター前の待合室で待機するように言われた。 五分もしないで叫子は分娩用の衣
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連載小説=移り住みし者たち=麻野 涼=第129回
ニッケイ新聞 2013年8月2日 「そうよ。あなたが来る前は、日本からすごい記者が来るって話だった。あなたがくれば少しは楽ができるかと思っていけど、取材先は以前と同じで負担は減らないし、タクシー代も出