花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香

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     しかし、青年が日本を出る前に、すでに婚約していた女性が渡航して来たというのと、写真見合いをして花嫁移民として渡航するのとは、まるで内容が異なるとはいえ、本人たちも「私は花嫁移民ではない」と言う。 コ

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     一九五五年九月に「コチア青年移民」の名で始まった独身青年の移民は、一九六八年一月に最後の青年移民百十人が渡航するまで続いた。この十四年間に二五〇八人の青年が移住していると「戦後移住五十年」(一九五三

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     このジャガイモ成金たちは、料亭内に一部屋借り切って、何週間も入り浸りだったそうだが、奥地から出てきて所用をかねての遊びと考えれば、ホテルもかねていたのではないかと思う。  「バタテイロやったうちのマ

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     もとは日本食の恋しい一世達に、饂飩や丼物を食べさせる店だったことから、「料亭」と呼ばれるこの規模に成功したとのことである。 わが客になってもらいたい仲居さんたちに会う前に、女主人に挨拶するため、別室

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     日本から来たばかりの若い男にとって、気なることは家賃ばかりで、娘心を知らない男のすること、ましてやこの上なく便利な暮らしの日本から来たばかりの花嫁には、郊外の辺鄙な低所得者の町には住みにくかったと言

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     私が仲居やホステスになっていれば、料亭やバーで働いている女性達が仲間としてかなり詳しい事情を打ち明けたであろうが、私は彼女たちの仲間ではなかった。    美顔術が縁となったある既婚者で二人の男の子の

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     蚤の攻撃は夜毎にあまりにも酷く、私はリベルダーデ広場にある高層アパートに住む未亡人が、内職にしているペンソンに移った。ここでは、作りたければ台所を借りて料理を作ることも許され、OLの若い娘達は、簡単

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     単身移民をした青年であったから、こうした不幸がなければ、やはり日本から花嫁を呼び寄せて家庭を築いたに違いない。みな自分のことで精一杯で、それきり彼は同船者たちの話題にあがらなかった。 日本人の顔はし

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     ペンソンでは、二段ベッドを二つ置いた四人部屋で、こういうのを「バーガ(場所)を借りる」と言うらしいが、この頃、私はその呼び名を知らなかった。 窓側に机が、ドア側に洋服タンスがあった。寝ると蚤に襲われ

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     ブラジルでは総て、エディフィシオ(アパルトメント)と呼び、豪華であればこちらが勝手に「あそこは、パラシオ」と呼ぶのである。私が紹介されて行ったパラシオは、家なら二階建てと表現できるが、アパートの場合

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