花嫁移民=海を渡った花嫁たちは=滝 友梨香

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     女傑と言われる松岡春子の自宅はアルト・ディ・ピニェイロス区にあった。夜になって連れて行かれたために、どの様な区内かは判断出来なかったが、一夜明けて門から出て眺めると静かな住宅街であり、一軒一軒瀟洒に

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     この道を多分、この辺りに住む人たちは常に往来して買い物などをしているのではあるまいか、パスポートなど必要なく。それを利用した密輸やテロなどが無ければ、全世界がこうありたいものと単純な私は思った。中東

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     もう一人の従弟は、その兄ほどには親の労働力のため犠牲にならなかったのか、高校へ進んだこともあって、一家が日本に引き上げ帰国した後も、 「六歳で親に連れられて移民して日本語も、字もろくに読み書き出来な

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     高田老夫婦、若夫婦、池田夫婦、山本夫婦とその親戚一同が、私の従兄妹同士の結婚に不安の意を示し、また紅熱病のためにこうなったと説明している知的障害の従妹のこともあって、私はモンテヴィデオに来て一月半月

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      花嫁移民とう言葉も知らず日本へ 娘は嫁ぎしと草原(パンパ)みる母   草原の虹を飛び越え日本へ 地球は狭いと娘は嫁ぎしとう  花嫁移民で来た母には、逆に花嫁移民で日本へ行ってしまった娘の勇気を、若

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     抱いている児の他に、年子らしい子が四人テーブルにつき、コップに入れてもらうコカコーラが、「あの子が少し多い、あっ、入れすぎた、あっ、少ない」とキー、キュー叫んで、ふた親を困らせることが、一人娘で育っ

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     「従兄同士の結婚は、私ら最初から反対じゃった。籍を抜いてブラジルへ行きんさい。困らんようにサンパウロで落ち着く所ば紹介もするとよ」とぼつぼつと言って、私を勇気つけてくれた。 いま熊本弁でそれを書こう

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     当時この京野さんは六十歳を出た位だっただろうか。高田家で一ケ月余りお世話になった間に、京野さんが私に話しかけたことで覚えているのは 「ここいらのピオン(日雇人夫)が鍬をもって歩いている時は離れていな

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     あくる日、「簡単な仕事じゃきに、これでも手伝ってもらおうかの」と叔母の言葉に促されて温室にはいると、カーネーションの咲いたもの、咲きかけたものや、まだ硬い蕾などのこもった匂いが全身にしっとりと染みつ

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     翌朝、「お手洗いはどこですか」と聞くと、臨時の住まいなのでトイレは無いと言い、案内されたのは、汚物の見える直径二十センチほどの穴のあいた、そこが元トイレだと分かる所だった。それをどう使うか考え込んだ

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