武家政治を象徴する美術は、彫刻によくあらわれている。写実的で力強い造形が、運慶・快慶とその弟子たちによって生み出された。東大寺南大門の金剛力士像は隆々たる筋肉と憤怒の表情で見る者を圧倒した。 興福寺にある古代インド仏教の学者無著(むちゃく)とその弟子世親(せしん)の像も運慶の作とされる。重源によって宋の建築様式で再建された東 ...
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特別寄稿=メキシコと日本の懸け橋=松田英二のエスペランサ農場=サンパウロ市在住 酒本恵三
高田政助という移住者が、ソコヌスコに農場をつくった。高田夫人が以前、内村鑑三家のお手伝いであったので、高田がこの農場を始めた時に、内村は祝福して次の歌を贈った。 内村鑑三といっても知らない人があるかもしれないが、アメリカ合衆国のアマースト大学出身で、日本において有名な、無教会主義のキリスト教信者として著名である。 アメリカ ...
続きを読む »特別寄稿=文豪の闘病から生まれた傑作=正面から病と向き合う生き方=サンパウロ市ヴィラカロン区在住 毛利律子
コロナ禍で、互いの「繫がり」を切らないように助け合う知恵を交換するネットワークが急速に普及し、大きな助け合いとなっている。 しかし、少し時代を遡れば、病気や災害による相互扶助の手段は、限定的、限域的なことであった。「近代医療・医薬」が堰を切ったように始められたのは1950年代からだと言われている。 日本の国民病とも言われた ...
続きを読む »知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(7)
第2節 武家政治の展開 鎌倉幕府の支配が揺らぎ始めると、北条氏はいっそう権力を集中しようとして、かえって御家人の反発を強めた。 14世紀の初めに即位した後醍醐(ごだいご)天皇は、天皇自らが行う天皇親政を理想とし、その実現のために倒幕の計画を進めた。初めは計画が漏れて失敗し、後醍醐天皇は隠岐の島に移された。 後醍醐天皇の皇子 ...
続きを読む »特別寄稿=未曽有の経済危機を乗り越える=「正直、義理、礼儀」サムライ経営者 西川 渥 (にしかわ あつし) スターパック社(本社・サンパウロ)社長=東京在住 カンノエージェンシー代表 菅野英明
食品用プラスチック容器業界で第2位 西川に「ずばりスターパック社とはどんな会社か」と聞くと「食用パッケージの新しい使い方を絶えず提案し続け、ブラジル人の食生活文化の向上と安全性利便性に貢献し続ける会社だ」と答えた。 創業者・西川流経営の独自性は「1つの事案に対して多様な見方と多角的な分析ができる、正直、倫理(社会道徳)、全社 ...
続きを読む »特別寄稿=メキシコ革命に参じた日本人移民=300人が革命軍に「就職」=メキシコ在住 荻野正藏
革命はじまる 革命は男の夢を掻き立てるものです。革命という言葉を聞いただけで、昔の人は血湧き肉躍ったものでした。 ロシア革命に先立つこと7年、メキシコにも革命がありました。そんな革命の中で日本人移民がどう生きてきたか、が今回のテーマです。 まずは、メキシコ革命がどうして始まったのか、から説明します。 メキシコは1810年 ...
続きを読む »知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(6)
第1節 武家政治の始まり 保元の乱(ほうげんのらん)とは、後白河天皇と崇徳上皇との間の激しい対立からおこった騒乱です。これに、勢力争いをしていた藤原氏の兄弟や、有力な武士たちが二手に分かれて加担し、戦いが始まったのは1156年でした。戦乱は小規模だったが、都を舞台とした天皇・上皇の争いの解決に、武士が大きな力を発揮した。 こ ...
続きを読む »特別寄稿=日本の恥などとはとんでもない=世界に冠たる日本国憲法=サンパウロ市 駒形 秀雄
日本では憲法改定の議論が盛んです。 ここブラジルでも「日本国憲法は日本人の恥である」と言うような声がありましたが、これはとんでもない。『日本国憲法は世界に誇り得る立派な法典です』と申したいと思います。「日本の憲法など見たこともない」と言う方に、『日本国憲法はこの様に立派なものです』と胸を張って言える様に、以下要点だけでも申し ...
続きを読む »特別寄稿=EUで最も有名な日本人女性=初の国際結婚、欧州で貴族に=サンパウロ市在住 酒本恵三
「クーデンホーフ光子」という方を知っていますか? 日本人には余り知られていませんが、今から120年前、日本人として初めて国際結婚をし、後に「ヨーロッパの母」とまで言われ、EUで最も有名な日本人女性です。一体どのような方なのでしょうか? 1874年、青山光子は東京で骨董商をしている両親の元に生まれました。小学校を卒業後、政治 ...
続きを読む »特別寄稿=ウイルスとの共生=モジ市在住 野澤由紀子
外出自粛という時代になって、私は再びウイルス感染症という言葉を思い起こし、本棚を見上げました。 それは数年前、東京の本屋で偶然手にした 山内一也氏の著書『キラーウイルス感染症』(ふたばらいふ新書)の本でした。新書は持ち易いのと、南米に移住した我々がウイルスとの共生について、もっと知っておかなければと言う思いがあったのです。 ...
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