ホーム | コラム | 特別寄稿 (ページ 36)

特別寄稿

特別寄稿(追悼文)=田中慎二さんのこと=サンパウロ市在住 中島 宏

「ブラジル日系美術史」出版記念会のときの田中慎二さん

 また一人、コロニア、いわゆるブラジル日系社会から、異彩を放った稀有な人物が忽然と消えた。田中慎二さんが亡くなられた。享年八十三歳であった。  一九五五年に日本からボリビアに移住、その後、一九六〇年にブラジルへ再移住し、パウリスタ新聞社に入社後、コチア産業組合の機関紙「農業と共同」誌に勤務。一九七〇年代以降はフリーとなって、日系 ...

続きを読む »

散り際の美学=サンパウロ市在住 脇田 勅(ときお)=<4>

 東京では最初に福岡県出身の遠藤政夫参議院議員を大蔵政務次官室に訪ねました。そして、ブラジル県人会の現状説明と、新会館建設の補助金を母県に申請したので協力をお願いして快諾を得ました。  次は山崎拓代議士を事務所に訪ねました。山崎氏は後に防衛庁長官、建設大臣、自民党幹事長、そして自民党副総裁などを歴任した実力者でした。山崎氏は前年 ...

続きを読む »

特別寄稿=散り際の美学=<3>=サンパウロ市在住 脇田 勅

(3)三番目は一般からの寄付になる。ここで考えられるのは、サンパウロに行ったことのある県出身の芸能人によるチャリティーコンサートを開催すること。『瀬戸の花嫁』のヒット曲を持つ小柳ルミ子には、わたしの前の県人会長がサンパウロ公演の舞台上で花束を渡している。また、海援隊を率いて『贈る言葉』のヒット曲で有名な武田鉄矢は、サンパウロでわ ...

続きを読む »

特別寄稿=散り際の美学=<2>=サンパウロ市在住 脇田 勅

 福岡に着いたのは、暮れも押し迫った十二月十七日でした。福岡空港で旧知の三京運輸(株)の深江信男オーナー社長と、海外移住家族会甘木地区の小島久雄会長の二人と再会し、レストランに直行して夕食を共にしました。その席でわたしの訪日の目的を話しますと、二人から、せっかく知事と会うのに表敬訪問だけではもったいないという話が出ました。  こ ...

続きを読む »

特別寄稿=散り際の美学=<1>=サンパウロ市在住 脇田 勅(ときお)

 年を取れば自分の来し方が懐かしくなるのは、人間の自然です。老人は思い出に生きるともいわれます。県人会のことも、今となっては往時渺茫(びょうぼう)、すべて夢に似たりの感を深くしています。  流れる時のしじまに、わたしは思い出すのです。はるか茫漠の時空を超えて、今なお胸迫りくる三十四年前、一途に信念を貫いた思い出。米寿を過ぎ、人生 ...

続きを読む »

特別寄稿=アブド・ベニテス新政権の発足=世界の95慶祝団に祝われ盛大にパラグァイ在住=坂本邦雄

就任パレードの様子(Foto: Cesar Itiberê/PR)

 この8月15日(水=アスンション市創立481周年記念日に当る)、は憲法の規定(第229条)に従い、マリオ・アブド・ベニテス及びウーゴ・ベラスケス両正副大統領が就任し、晴れてアブド新政権が発足した。  1844年に、初代カルロス・A・ロペス大統領に始まる、憲政国パラグァイの第57代目、及びストロエスネル独裁政権が、1989年に軍 ...

続きを読む »

いよいよ、選挙運動が開始!=一体どうなる?大統領選挙=誰が〃未来の大国〃のトップに=サンパウロ市在住=駒形秀雄

 この国のこれからの命運を決めかねない総選挙、中でも大統領選挙は重要です。その公式の選挙運動が今日16日から始まります。  立候補届け出は15日に締め切られ、「我こそは」というツワモノが、正・副13組参加となりました。今日から正式に選挙文書の配布や街頭宣伝も許可されるので、街中も騒がしくなることでしょう。  この〃未来の大国〃の ...

続きを読む »

国境麻薬密輸団一味に大打撃=オベラル上議「統治が難しい国」=15日にベニテス新大統領就任=パラグァイ在住  坂本邦雄

15日に就任予定のマリオ・アブド・ベニテス次期大統領(Kremlin.ru, via Wikimedia Commons)

 カルテス政権の退陣を間近にし、次期アブド・ベニテス新政権の就任(8月15日)をひかえての現象なのかは分からないが、最近Senad(国家麻薬取締局及び検察局)は、ウィルソン・ルベン・カセレス・ゴンサレスとウィルソン・ダリオ・カセレス・ゴンサレス(この者は元警察官出身)の双子兄弟の捜査に優先的に取組んだ。  その結果、去る1日(水 ...

続きを読む »

配偶者亡き後の生き方(2)=国が違えば別れの言葉も変わる?!=「さようなら」の本当の意味は=サンパウロ市在住 毛利律子

日本の葬儀会場(参考写真)

 人間にとって最初の別れは「赤ちゃんの誕生」の時である。イヤそれは新たな出会いではないか。確かにそれは親子の新鮮な出会いでもあり、赤ちゃんにとっては十ッ箇月育ててくれたお母さんのお腹から出て、一人の人間として未知の世界へ旅立つ最初の別れである。  やがて年齢に従って、幼稚園・小・中・高・大学と、これまでの環境との卒業=別れを繰り ...

続きを読む »

配偶者亡き後の生き方「没イチ」をどう生きるか(1)=男性が孤独にならないために=サンパウロ市在住 毛利律子

【参考写真】じっと遠くを見つめる高齢者男性

 「会うが別れのはじめ」という言葉があるが、現在の高齢化社会で大きな課題の一つになっているのが「配偶者亡きあとを、伴侶はどのように生きるか」ということである。離婚を経験した人のことを「バツイチ」と言うが、伴侶に先立たれた高齢者のことを「没イチ(ぼついち)」と呼ぶそうだ。   この話題がNHK朝のニュースで報道されたことはすでにご ...

続きを読む »