現在発行されている多くの移民史に目を通すと、必ず記載されている項目は「病との闘い」である。100年以上前、山紫水明の穏やかな自然環境に育まれた日本人が、約2カ月近くの長い航海を経て、南米ブラジルに移民として上陸した。しかしその道のりは想像以上に過酷なものであった。 『戦前移民航海物語・ヨースケ・タナカ』によると、戦前移民は3 ...
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ブラジル太鼓協会=百周年以来、152人も参加=盛大に検定試験などを開催=コロニア・ピニャール在住 西川修治
ブラジル太鼓協会(ABT、渡部一誠会長)が主宰する「講習会及び検定試験」が箕輪敏泰1級指導員と山本ユウジ3級指導員を中心に行われた。1月26から28日はパラナ州ロンドリーナ市で73人が参加、2月2から4日はサンパウロ州サンミゲルアルカンジョ市のコロニア・ピニャールで行われた。コロニア・ピニャールでは約10年ぶりに152人もの参 ...
続きを読む »書評=『カヌードスの乱 19世紀ブラジルにおける宗教共同体』(春風社)=戦争の根底にある問題の本質を俯瞰=ブラジル学研究者 田所 清克
F・ジュリアンの『重いくびきの下で―ブラジル農民解放闘争―』(岩波新書)の書に表徴されるように、ブラジルの北東部、わけても奥地は、旱魃に加えて農園主や地方ボス(コロネル)による搾取と圧政による貧困が絶えず、革命的な文学が生まれ、と同時に社会運動が出来する精神風土があった。 バイーア州奥地を描くエウクリーデス・ダ・クーニャの手 ...
続きを読む »「日本人は頭が良い」は本当か=生まれつき、それとも環境=サンパウロ市在住 駒形 秀雄
私が子供の頃は「日本人は頭が良い」と聞かされ、何となくそう思っていました。そう話した大人たちも、多分はっきりした根拠は無かったが、自分の周辺や外の外国の情報などが十分に伝わらない中で、そうだと思っていたのでしょう。 終戦から昭和20(1955年)年頃までは、一般の日本人が接する外国人と言えば、朝鮮とかシナ(満州)それに南洋の ...
続きを読む »ブラジル宮城県人会会長を退任するに当って御礼=前会長 中沢宏一
私は宮城県人会の活動をべースとして様々な社会的活動に参加して参りました。 多くの方々に出会い ご指導いただきご交誼を賜わりました。県人会を引退するに当りこの間の主なでき事を振り返り、皆様に感謝の意を表したいと思います。 宮城県人会との関係は1970年、父敬助が全国海外移住家族会の「移住者慰問団」で来伯した時に県人会(会長大 ...
続きを読む »アフリカの後塵を拝するラ米=なぜ革新分野で遅れ取るのか=パラグァイ在住 坂本邦雄
映画「La forma del agua」(2017年「水の形」ギリェルモ・トーロ監督、邦題『シェイプ・オブ・ウォーター』)が、多くのオスカー像・アカデミー賞にノミネートされた快挙は、当然メキシコでは祝うに値するし、さらにラ米諸国の人々もそれぞれの国境内外で、ラテン系人材がタレントを発揮して各分野で成功している事を大いに誇って ...
続きを読む »どうなる?! 大統領選挙=ルーラ有罪で政局はどう動く=親ガメこければ小ガメも?=橘かおる
ルーラ元大統領に二審裁判所(TRF―4)から有罪の判決が下りました。この審判は政治関係者だけでなく、全国民が注目していました。そこで、3裁判官全員一致で一審(クリチバ)の判決よりも重い12年1カ月の刑が下されたので、「やっぱりブラジルの裁判所は正しい判断をしてくれた」と多くの人たちは賛同の拍手を送りました。さて、この判決を受け ...
続きを読む »アルゼンチンの柔道について=1906年からの深い絆=山本ファン・カルロス=(下)=2師範が開始、移民柔道家先導
【らぷらた報知1月11日付け】東京オリンピック2020の日本柔道チームは、リオデジャネイロ・オリンピック2016よりもパフォーマンスの向上が図られている。 リオでは、総メダル数11個、金メダル3、銀メダル1、銅メダル8を獲得し、これは2012年ロンドン・オリンピックの散々な結果を挽回した。 7つのメダルの内ただ一つの金メダ ...
続きを読む »アルゼンチンの柔道について=1906年からの深い絆=山本ファン・カルロス=(上)=嘉納治五郎とオリンピック
【らぷらた報知1月11日付け】柔道は日本で130年前に創始され、現在は「世界のスポーツ」となり、日本文化の中でも1番世界に浸透したのものの一つとなった。例えば、世界柔道連盟の加盟国の数は、国際連合のそれを上回っている。 この事はアルゼンチンでも言え、110年以上の歴史があり、日本から来たスポーツでは最も古くそして普及している ...
続きを読む »一人の学生親善視察が蘇えらせた日系移民の英才たち=ビラ・カロン在住 毛利律子
1939年(昭和14年)7月11日15時、初代「あるぜんちな丸」が横浜港を出港して、横浜を出港して世界一周の処女航海の途に就いた。その船に、外務省、拓努省、貿易組合中央会の援助を受け、学生親善視察として乗船していた一人の青年がいた。その人は日本大学南米研究会幹事・木村半(きむら・なかば)20歳であった。 7月12日付け東京日 ...
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