移民研究家による表現では沖縄の出身者を二つに分け、一つは移民となった人たちで「沖縄系移民」、もう一つは沖縄から本土に移住し、沖縄以外の土地で住んでいる人たちで「沖縄出身者」と呼ぶ。アメリカ軍政府の統治下にあった1945年から1972年までの27年間、英語では、「オキナワ」の語尾にーanを付けて「オキナワン」「オキナワン・ピープ ...
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JRパスに関する再考願い=65歳以上に特例継続を=サンパウロ州リベイロン・ピーレス在住 川添 博
JRはレールパスを海外在住の日本国籍者に対し、本年の3月以降は販売しないと決定しました。レールパスは訪日外国人を増やすために定められたシステムです。外国に住む者にとり非常に高くつく日本国内の交通費を押さえ、訪日を促すための数少ない有用なシステムです。 ところが訪日外国人が二千万人になったから、もう外国に住む日本国籍保持者の助 ...
続きを読む »「日本人の姿」はどう出来た?=これを変えることは出来るか(?)=サンパウロ市在住 駒形 秀雄
私達ブラジルに住む日本人は日常、自分とは姿形の異なったブラジル人に囲まれて生活しています。 それは普段はあまり気にならないのですが、メトロ・電車などに乗ると手持ち無沙汰でもあり、つい周辺の乗客の服装や身体、外形などに目を向けることになります。たまたま若い女性などが近くに来るとついその魅力に惹かれて「健康そうで均整のとれた体型 ...
続きを読む »避けよ、政治の危険な火遊び=パラグァイ大統領再選問題=アスンシオン在住 坂本邦雄
2017年はカルテス大統領の在権4年目になり、現行憲法の掟(おきて)で任期5年、再選は不可能。だが、来年8月15日の新旧元首の交代へ向けて、この規定を変えてでも、各政党政派は次期後継大統領に現職と大統領職経験者も含めて、全国総選挙にそれぞれの候補者の出馬を図るべく、昨年後半からその可能性を盛んに世論に訴えて来た。 旧ストロエ ...
続きを読む »大豆、小麦に日本人の貢献あり=大規模産業は罪悪なのか?=パラグァイ在住 坂本邦雄
現在パラグァイが世界で第5位を誇る大豆生産量(年900万トン弱)や、かつては我が国ではとても出来ないと云われていた良質の小麦が今では立派な輸出産物にまで成長し、ブラジルあたりではこれを好んで買い付けている実績の蔭には、長年来の日本人農家の弛まぬ努力があったからこその話だとは、日本人が自負しても誰しも異議はない筈である。 大豆 ...
続きを読む »惻隠の情こそ=マウア市在住 吉田 尚則
30年ほど前だったか、サンパウロ市と姉妹都市の大阪で両都市交流展が催されたことがある。パウリスタ新聞社(当時)も出展者の一員として、戦後日系社会の推移を伝えるべく、創刊号からの社会面十数枚をパネル化して展示会場の一隅に掲げた。 当時、パ紙社員で展示担当のわたしが会場にいたところ、奈良県出身の元判事だと名乗る老紳士がパネルを鑑 ...
続きを読む »「ノーノー・ボーイ」新訳を終えて=戦争で心を引き裂かれた移民文学=ジャーナリスト 川井龍介
日本軍がハワイのパールハーバーを奇襲してから丸75年。その瞬間から日本の日本人だけでなく、海外にいる日本人・日系人の運命も大きく変わる。アメリカの日系人作家ジョン・オカダが唯一残した「ノーノー・ボーイ」は、この運命に身をよじられる思いで戦後を迎えた二世の主人公イチロー・ヤマダの苦悩する魂の叫びをつづった小説である。 日系アメ ...
続きを読む »シャペコ現地ルポ=「カンペオン・ヴォウトウ!」=街角にあふれるクラブ愛=サンパウロ市在住ジャーナリスト 沢田啓明(ひろあき)=(下)=パイロットの苗字は「ムラカミ」
ふと横を見ると、二人用の小さなテントが二つ張ってあり、中から足が何本も突き出ている。 テントの前にいた若い男性と女性に声をかけた。 「君たち、ここで何してるの?」 「『トルシーダ・ジョーベン』というサポーターグループのメンバーなんだ。事故の第一報を聞いた29日朝から、ここで寝泊りしてる。毎日、みんなでお祈りしたり、クラブソン ...
続きを読む »シャペコ現地ルポ=「カンペオン・ヴォウトウ!」=街角にあふれるクラブ愛=サンパウロ市在住ジャーナリスト 沢田啓明(ひろあき)=(上)=天も号泣したシャペコ
12月3日、シャペコでは朝から冷たい雨が降り続いていた。 正午過ぎ、シャペコエンセのホームスタジアム「アレーナ・コンダ」に最初の棺が到着すると、スタンドを埋め尽くした観衆が総立ちになり、自然発生的に「カンペオン・ヴォウトウ!」(チャンピオンが帰ってきた!)と大声で歌い始めた。涙声も混じっている。 ブラジルへ渡ってからちょう ...
続きを読む »内陸水路3302キロの可能性=船舶の建造は今年かなり減少=急がれる閘門システムの構築=パラグァイ在住 坂本邦雄
造船業界の話では、パラグァイにおける今年の新造船の受注量はかなり減少したと言う。これは最近、製鉄産業への原料鉄鉱石の輸送量が一段と低下し、船腹の需要が著しく減ったためのようだ。UIP・パラグァイ工業協会の視察団が、先日複数の造船所を見学した際に、この問題は指摘された。この事態が現在諸造船所の新バージ建造の不振を招いている。 ...
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