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特別寄稿

この不景気の出口はどこに=ブラジルが魁聖なら日本は豪栄道?=駒形 秀雄

 「やあ、元気ですね。景気はどうですか?」―しばらく前まではニコニコしながらこんな風に友人との会話が始まりました。ところが今はいけません。周りはどちらを向いても冴えない顔ばかり、「どこどこは金が無い。支払いが滞っているから気をつけろ」「俺の身内が職をなくしてブラブラしてるんだ。何か良い働き口はないか?」こんな類の話題ばかりです。 ...

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植民地時代から現代まで=畜産業発展の長い歩み=パラグァイ 坂本邦雄

畜産業の様子(Foto: Carlos Alberto/Imprensa MG)

 クリストバル・コロン(コロンブス)が率いるスペイン船体が新大陸アメリカを発見したのが1492年10月12日の早暁だった。 だが西回りの航海でジパング(日本)とインドを目指したものでコロンブスは最初の上陸地(カリブ海バーマス列島のサンサルバドル島)がインドだったと亡くなるまで信じていた。 いわゆる西欧諸国の帆船大航海時代(15? ...

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暴露されたジウマの策略=メルコスールのパ国制裁=伯亜両大国の横暴に泣く=パラグァイ 坂本邦雄

ジウマ大統領とパラグァイのカルテス現大統領(Foto: Roberto Stuckert Filho/PR, 29/out/2013)

 最近出版された(2015)ウルグァイのアンドレス・ダンサとエルネスト・トゥルボヴィツ両新聞記者の共著に成る『権力に挑む一匹の黒羊』(西語原題〃La Oveja Negra al Poder〃の仮訳)によれば、2012年にジウマ大統領は、ウルグァイのホセ・ムヒカ前大統領の一特使を極秘裡にブラジリアで引見し、いかにしてパラグァイの ...

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前途多難なブラジル経済=新自由主義との矛盾に在るジウマ=パラグァイ 坂本邦雄

ジウマ大統領(右)とジョアキン・レヴィ蔵相(Foto: Roberto Stuckert Filho/PR)

 ジウマ政権の前途は容易ではない。恐らくジウマ・ロウセフ大統領は自分の政治的パトロンであるルーラ前大統領から受け継いだ行政遺産の真価は、どこにあったのかと最近は自問しているに違いない。それは、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国と南アを加えた別名G―5、急成長国群)の内で、とどまる事を知らない旺盛な反自由主義の改進的な新興 ...

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「ここを先途と」大歓迎=全パ日系老人クラブ親睦の集い=パラグァイ 坂本邦雄

アマンバイでの大歓迎の様子

 今年は第6回目に当る全パ日系老人クラブ連合会(山脇生年会長)の親睦交流会が予定通り5月17日(日)にアマンバイ県都ペドロ・フアン・カバリェロ市(以下PJC)の日本人会々館に於いて地元の老人クラブむつみ会(山脇氏会長兼任)と同地日本人会(原本功会長)の共催で盛大に行われた。 当日午前09時から『第二の青春、あなたも楽しい、私も楽 ...

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パラグァイ=ブラジルへの転売は条約違反=巴国無視で亜国ぼろ儲け=目を瞑る当局高給官僚=坂本邦雄

水不足で安定供給が難しくなりつつあるブラジルの水力発電所の様子(Foto: Diogo Moreira/A2 FOTOGRAFIA)

 ブラジルを襲う電力不足危機の裏側で、周辺諸国にも思わぬ影響が広がっている――1月下旬、各地の水飢饉で悩んでいるブラジルは方々の発電所の水源ダムの水不足に見舞われ、国内の電力供給が充分に間に合わず、緊急対策として亜国(アルゼンチン)のガラビー電流電圧(ヤシレタの電流は50Hzでブラジルは60Hzなので)変換ステーション経由、ヤシ ...

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イグアス・ダム機械化中止=日パ経済協力史上初の事態=214億円の借款キャンセルに=パラグァイ 坂本邦雄

イグアス・ダム機械化プロジェクトの予定地の様子

 日本の円借款によるこのプロジェクトは、最初ゴンサレス・マキ大統領(1999-2003)の時代に始まり、次のニカノル・フルトス大統領(2003-2008)の政権下、2006年2月16日に漸く契約の調印に至ったものだが、諸般の不透明な事情でその後も本格的な着工が今日まで延び延びになって来た経緯がある古い話である。だがこの1月、つい ...

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武井誠さんを偲ぶ=サンパウロ 安良田 済=(4)=「九十の手習い」で随筆

 それから十年くらい後であった。コロニア詩文会は『コロニア随筆選集(全三巻)』の刊行を決めた。新井勝男君と私の二人の編集担当であった。第一巻は既に刊行し第二巻に取り掛かろうとしたときに、ふと杉武夫さんの事を思い出した。 応募して下さるなら、随筆も文芸の一つであるから、普通通りの価値観、意味も認識し直したことになる。決して決して悪 ...

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武井誠さんを偲ぶ=サンパウロ 安良田 済=(3)=飢餓街道を十年以上彷徨う

 コロニア文学会で『コロニア小説選集』全3巻刊行を決定した折のことであった。ある日のこと、武本由夫さんから電話で「近いうちに杉武夫さんが君の所に小説2集の分担金と参加承諾の署名を持って行くから」と通知をされた。 このコロニア小説選集の掲載作品の作者から承諾の署名と各作者より分担金を会計に振り込むようになっていたのを、杉武夫さんは ...

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武井誠さんを偲ぶ=サンパウロ 安良田 済=(2)=戦後隆盛期に一作品もなし

 腕だめしとして、時報社の主催する『植民文芸懸賞短編小説』に応じてみた。結果は佳作に入ったが、その時の選会は佳作を三篇選んだので、各作者は当惑したに違いない。杉武夫には腕だめしになったかどうか、だが杉武夫は続けて毎年応募した。第二回は第三席を獲得する。 第三回は選に漏れたのか、作品は発表されなかった。第四回は『テーラロッシャ』を ...

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