さてブラジルは今、政治面では政権と反政権の力争いが上院で始まった。コロナ感染対策に関するCPI(議会審問委員会)を通じて、それが表面化し、経済金融面では不確実性を抱えながらも、特に金融市場では楽観、少なくとも落ち着いた事態になっている。 コロナウィルス感染は、4月に月計最大の死亡者数、8万2千人を記録した。連邦政府のワクチン ...
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特別寄稿=白い黄金を求めて=ブラジル綿花の歴史と日本人綿作者=櫻井章生(さくらいあきふ)=《2》
以上の諸要因に加えブラジルに従来存在しなかった害虫ビクードの蔓延が北東伯の綿作の衰退の大きな要因となった。 ビクードと呼称される害虫の学名はAnthonomus grandis、英語でboll weevil(ボール・ウィービル)と呼ばれ、綿花の害虫で最大の被害を与えるゾウムシの一種で綿のボールの養分を吸い取る害虫で繁殖力は極 ...
続きを読む »特別寄稿=白い黄金を求めて=ブラジル綿花の歴史と日本人綿作者=櫻井章生(さくらいあきふ)=《1》
はじめに 初期の日本人移住者はコーヒー園労働者としてはるばる日本よりやってきた。ところが期待していたような稼ぎは得られず、生活は楽にならない。 そこでいろいろ考えて何とか現金収入を得ることを考えたり、コーヒー農場の片隅に自家消費用の食糧を生産したりして、家計の足しにすることを考えた。 香山六郎伝に書かれているように、香山 ...
続きを読む »《特別寄稿》尖閣は盗られた?! 漁船拿捕再来の悪夢=クアッドに伯ブラジル入れて食糧安保圧力を=ブラジル長崎県人会 前会長 川添博
思い出したくもない事が子供の頃頻繁に起きていました。韓国の国内法により李承晩ラインなるものを一方的に施行され、日本の漁船が拿捕されたニュースが日常茶飯事的に報じられていたのです。その中には雲仙丸のような長崎県の漁船が多数含まれていました。 長崎には対馬や壱岐など韓国に近い好漁場があり、生活の糧を求めて危険性があっても出漁せざ ...
続きを読む »《特別寄稿》コロナ禍の中で嬉しいニュース=ミルトン・ヒダ医師の叙勲=在ブラジル大使館 参事官兼医務官 岡本洋幸
2021年4月29日、ミルトン・ヒダ氏が、旭日小綬章(きょくじつしょうじゅしょう)の受章が発表されました。 同氏は、2008年、日本とブラジルの相互理解の促進に貢献したことから外務大臣表彰も受賞しています。 ヒダ先生についてはご存知の方も多いと思いますが、私個人とのエピソードも含めてご紹介します。 ヒダ先生は、1969年 ...
続きを読む »《特別寄稿》55周年の節目を振り返る=同郷者交流から日本文化普及へ=ブラジル日本都道府県人会連合会
日本では第2次世界大戦後、海外移住が再開されました。それに伴い、移住者を援助し激励するための海外移住家族会が県単位で結成され、1962年、その全国組織の『日本海外移住家族連合会』(略称=家族会)ができました。 1965年9月、サンパウロで開催された第1回南米日系人大会に出席した田中龍夫会長が斡旋し、サンパウロ総領事館を通して ...
続きを読む »特別寄稿=『菊と刀』は北米日系移民の研究書=恩、義理と人情、恥の文化を再読=サンパウロ市ヴィラカロン在住 毛利律子
もし、ニッケイ社会の若い世代から、祖国日本の「恥、義理、人情、恩返し」という文化って何ですか、と聞かれたら、どのように答えよう。大いに戸惑い、返事に窮してしまうのではないだろうか。 このような日本固有の文化的価値観を、一人のアメリカ人女性の文化人類学者ルース・ベネディクトが分析し、説明を試みたのが『菊と刀』である。 ルース ...
続きを読む »特別寄稿=日本定住化30周年記念=日系最大級の人材派遣会社=創業30周年を迎える「晃和」=トメ・アスー出身の斉藤社長=カンノエージェンシー 菅野英明
この3月に7年ぶりに二世の創業社長・斉藤和浩(さいとう かずひろ)を取材した。その間、会社の事業規模は一回り大きくなっていた。来日2年後の1991年に24歳で創業。仕事はブラジルの日系二世・三世を中心にした外国人労働者を、日本企業と結ぶ人材派遣を行う会社だ。社名は株式会社「晃和」(こうわ)(群馬県伊勢崎市本社)で、日系社会では ...
続きを読む »特別寄稿=ウチナーンチュの懐深さに感謝=沖縄県への支援要請訪問記=ニッケイ新聞東京支社長 輿石信男
さる4月22日、台風2号で雲行きがあやしい中、下地幹郎(しもじみきお)衆議院議員のご尽力により、朝9時半の沖縄商工会議所を皮切りに、當間盛夫(とうまもりお)沖縄県会議員の先導にて、日本海外協会の林隆春理事長、衆議院議員下地幹郎公設第二秘書の谷元智一氏とともに沖縄県内7カ所を支援要請に回った。 下地議員からも事前に資料を送って ...
続きを読む »特別寄稿=イランが親日国になった理由=日露戦争勝利と日章丸事件=サンパウロ市在住 酒本恵三
欧米の植民地化からアジアを開放した日露戦争 イランの正式名称は「イラン・イスラム共和国」。場所は、中東と西アジアの境目。 石油資源は埋蔵量3、4位とも言われ、天然ガスは世界1位。イランは実はとても親日国なのです。日本とイランが深い絆を作るきっかけとなった、戦後のある出来事についてご紹介します。教科書では、あまり取り上げられてい ...
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