2010年4月のチラデンチスの日、コラム子はサンパウロ市での生活を始めた。その2年前に結婚したブラジル人の妻についていく形でだった。 日本では音楽関係の仕事をフリーランスでやっていた。日本ではブラジル音楽の人気が非常に高く、コラム子の周囲にもファンが少なくなかったが、コラム子も妻も音楽そのものは大好きだが、ブラジル音楽にそこ ...
続きを読む »樹海
不足する資源と、いつまでも尽きないもの
本紙15日付1面「東西南北」欄に、ガラス瓶が不足してビール業界が困っているという話が書かれている。この部分を読み、ブドウのジュースを造っている会社が昨年、ガラス瓶不足で一時的に生産を停止した話を思い出した。 ガラスの主な原料は珪砂だ。父が日本のガラス会社の関連会社で珪砂を掘り出す現場の安全責任者だったため、毎日のように図面を ...
続きを読む »《記者コラム》貧困者を直撃するインフレの恐怖=景気後退からスタグフレーションへ
「こんなの見てたら、胸が痛くなるわ」――10月末、東洋街の庶民御用達のスーパー、エストラに買い物に行き、店頭にあったその週の特売品チラシを持ち帰って、妻に渡した。彼女がいつものように嬉々としてチラシの物色を始めた矢先、そう言って胸を押えた。 何ごとからと思って尋ねると、「見てよ、このチラシ。もう誰かが使ったヤツで、買うものに ...
続きを読む »モロが「第3の選択肢」という違和感
「テルセイラ・ヴィア」。これがブラジルの大統領選の際に、2018年の時点から今日までずっと使われ続けている言葉だ。日本語に訳せば「第3の選択肢」。これはつまり、ボルソナロ氏の極右路線、ルーラ元大統領をはじめとした労働者党(PT)の左派勢力。このように投票者の傾向が2極化する中、「どちらも選びたくない人たち」にとって、もっと投票 ...
続きを読む »サンタへの手紙―「僕の夢は肉をもらい、家族と一緒に過ごす事」
ブラジルではナタール(クリスマス)に、郵便局が「パパイ・ノエル(サンタクロース)」という名前のキャンペーンを行う。貧しい家庭の子供達が書いた手紙を見た人々がサンタ役になり、郵便局を通して希望の品を届けるというもので、多くの子供は人形や玩具、衣類などを希望する。 だが、サンタへの手紙を書くのは郵便局のキャンペーンだけではない。 ...
続きを読む »《記者コラム》知られざる日本の国際貢献=ブラジルでのポリオ麻疹撲滅に
救済会が感染予防イベントをする意味 「第2次大戦中に交換船が来たとき、『移民が残るんだから自分も残る』と言って日本人救済会を作った宮越さんがいてくれたから、今のような憩の園があります。原点を作ってくれたのは宮越さんだと改めて感謝の気持ちがわいています」 元救済会会長の吉安園子さんがそう言うのを聞きながら、会場の特設スタジオに ...
続きを読む »レイテの敗因は「腐ったリンゴ」?
民主社会党(PSDB)の来年の大統領選の候補者が、投票アプリの不具合などのトラブルの末にジョアン・ドリア聖州知事に決まった。当初は、党のそうそうたる重鎮の支持を得ていたエドゥアルド・レイテ南大河州知事が有利かとも見られていた。だが、蓋を開けてみれば、予想を下回る、接戦とも言い難い結果でのドリア氏の勝利となった。 ただ、コ ...
続きを読む »草木から学ぶ、視点や立ち位置を変える必要性
朝一番に日の光を浴びると体内時計が整うと聞いた事もあり、朝起きると、新聞を取りに行きがてら、車庫の屋根に張った紐に沿って育つゴーヤを観察する癖がついた。 例年は多少の花や実が残っていても根元から抜いてしまい、新芽が出てくるのを待っていた。今年は越冬させてみたところ、ずっと実を結んでいただけでなく、春先からは花や実も増え始めた ...
続きを読む »《記者コラム》10年越しのレジストロ調査=日本常民文化研究所の共同研究
「あれから10年経ったのか」――11月6日にオンライン開催された、国際常民文化研究機構が主催する共同研究「ブラジル国サンパウロレジストロ植民地における民具からみた日本移民の生活史の研究」の成果発表会「第9回共同研究フォーラム」を聞きながら、そんな感慨を覚えた。 思えば10年前、2011年9月24日付本紙《日本常民文化研究所セ ...
続きを読む »「ジウマ罷免」立役者の素顔
「こういう人たちにジウマ氏は大統領を罷免されたのか」。そう思いはじめたのは、つい最近のことではない。同氏を罷免にかけた当時の下院議長エドゥアルド・クーニャ氏は、ラヴァ・ジャット作戦の収賄疑惑で下議罷免にあい、すぐに逮捕。14年の大統領選で有力な証拠もないままにジウマ氏を選挙違反で訴え、同氏にネガティヴなイメージを与えたアエシオ ...
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